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鬼ヶ瀬塚村
第30章 鬼神祭
まるで怒りを込めているような太鼓だった。
他の太鼓衆達も達弘さんに遅れをとってはなるものかと太鼓を力強く叩きだす。

歓声が上がり、賑わいを取り戻した群衆は男も女も子供も踊って歌っていた。

とても楽しそうだった。
彼らは生きているのだと実感した。

心臓の形に沿って柔らかで暖かいものが心房を満たしていく。
右心房も左心房も暖かい血を全身に優しく流していく。

炎は燃え盛った。
奴奴は泣いていた。
僕も立ち上がり、見よう見真似で村人達のように踊った。

小さい頃に盆踊りを踊ったくらいだ。
池袋の実家の近くに大型の豚キホーテがある。
その道を挟んだ向かいに小さな社があり、夏には小さな祭りをしていたのだ。

優子が僕に近付き、笑顔で舞を見せた。
僕も負けるものかと踊った。

若い女が酒の入った盃を手渡してくる。
僕はそれを飲み干した。
それを見て男達が手を叩いて歓声を上げる。

僕は酒を飲みながら踊り狂った。

夜叉の面の下、真理子さんが笑っているような気がした。

一升瓶をラッパ飲みする吾郎さんも、手拍子する紗江さんも、僕の隣でヒラヒラと踊る優子も、泣きじゃくる奴奴も…みんなみんな僕に笑顔を向けていた。

ああ、月が綺麗だ。
僕は踊り続けた。
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