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鬼ヶ瀬塚村
第31章 一人だけ居無くなる
やがて祭りは大盛況ののち終盤を迎え始めた。

奴奴は村人1人1人に握手をしたり抱き合ったりして想いを分かち合っていた。

ほうきや熊手で地面を掃除する者、焼き付くされた骨を回収する者、空になった酒瓶や盃を拾っていく者、飲み過ぎたのか足腰がまともに立たない者、泥酔して揺さぶられている者、それぞれがそれぞれに祭りの終わりを迎えた。

『ノブ、腹減ったなッ!早く帰ろうッ!んで飯ばたらふく食っだら花火じよう、なッ?ネズミ花火あるんだっぺよッ!おんもしれぇぞぉッ!』

優子が僕の左腕にしがみついてくる。

『僕は線香花火がしたいなぁ』

酒のせいか僕はとても上機嫌だった。

『花火もいいけど宿題やんなさいよ?』

真理子さんが僕と優子の隣を通りすがりざまに言った。

『大丈夫だっぺよ、明日朝イチで典子に写させてもらうっぺよぉ』

『まったく…いい気なもんね、ほらぁッ!おじいちゃんも帰るわよぉッ!』

飲み過ぎたのか顔を真っ赤にした吾郎さんが座り込んでいる。
紗江さんがなんとか立ち上がらせようと奮闘しているのが見えた。

達弘さんは太鼓衆の男達と煙草を吸いながら酒を飲んでいた。

祭りは終わった。
跡形もなく…。
祭り後の静けさと寂しさを幾分感じた。
あの特有の気持ちはいくつになっても寂しいものだ。
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