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鬼ヶ瀬塚村
第31章 一人だけ居無くなる
『紗江…ずまねがっだな…』

達弘さんがポツリと呟いた。
紗江さんは心底驚いたようで無表情のまま固まっていた。

『や、やだよぉ…急になんなんだっぺよ、気味の悪ぃ亭主だ』

紗江さんは少し照れ臭そうに言って、僕と優子と達弘さんの前に麺汁の入った椀を配膳していく。

吾郎さんは相変わらず豪快なイビキのまま眠っていた。

しばらくしてそこへ鬼流しの湯から帰ってきた真理子さんがやって来る。

『お腹ペコペコ~…こうも立て続けに鬼神祭があるとちっとも漫画描けないわッ!今夜は徹夜ねッ!』

真理子さんは僕の隣にドカッと座る。

『真理子さん、奴奴は?』

『ああ、彼ならさっき千葉へ向けて帰ったわよ。これにて仕事終了よ。案外呆気ないでしょ?』

どこがだよ…。

『お父さん…は…あ、そっか…忘れてた』

『………?』

『鬼神祭の夜は…断食なのよ。罰の一つね…あれ?カヤばぁちゃんは?』

真理子さんが素麺をつつきながら紗江さんに問う。

『もう飯に粥食わぜで寝でるば。お義母ざんと邦子ざんば飯ば済まぜで部屋で休んでるっぺ』

紗江さんは素麺をすすりながら言う。

『あ…ねぇ、いっちゃんはまだ見回りから帰ってないの?』

真理子さんは椀にワサビを大量に投入しながら言った。
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