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鬼ヶ瀬塚村
第31章 一人だけ居無くなる
『大事な大事なわじの一郎ば死んだんじゃッ!!こげな時にづまらん冗談ば言うでねぇッ!!』
吾郎さんは唾を飛ばしながら血管が浮き上がった分厚い手で達弘さんを揺さぶり続けた。
達弘さんは吾郎さんの手に両手を乗せるとソッと彼の手を下ろした。
『みんな聞いでぐれ』
達弘さんがちゃぶ台を囲む僕達を見回して言う。
『俺が…殺じだんだ』
間違いではない、冗談なんかじゃない。
彼の声色で誰もが悟ったはずだ。
重い沈黙が流れた。
カヤさんが"うぅ…"と震え、吾郎さんは放心状態、邦子さんはちゃぶ台に頭を埋めていた。
真理子さん、弘子さん、僕の3人が達弘さんを見詰めていた。
『達弘…本当なの?』
弘子さんが怒りを秘めた震える声で訪ねる。
達弘さんは縦に首を振った。
『どうして…?あなた達はまるで兄弟のように過ごしてきたじゃないの…』
『ああ、俺にば兄貴ばおらねがった…だがらおっぢゃんが確がにええ兄貴だっだよ…いづも優じぐ庇っでぐれだぁ…だがらごぞ…許ぜながっだ』
『…あ、あなた達2人に一体…何があったと言うの?』
弘子さんは険しい顔で達弘さんに問う。
村長を退いたとは言え、まだ荒岩では長のようなものだ。
彼女は厳しい声色で達弘さんを問い詰める。
吾郎さんは唾を飛ばしながら血管が浮き上がった分厚い手で達弘さんを揺さぶり続けた。
達弘さんは吾郎さんの手に両手を乗せるとソッと彼の手を下ろした。
『みんな聞いでぐれ』
達弘さんがちゃぶ台を囲む僕達を見回して言う。
『俺が…殺じだんだ』
間違いではない、冗談なんかじゃない。
彼の声色で誰もが悟ったはずだ。
重い沈黙が流れた。
カヤさんが"うぅ…"と震え、吾郎さんは放心状態、邦子さんはちゃぶ台に頭を埋めていた。
真理子さん、弘子さん、僕の3人が達弘さんを見詰めていた。
『達弘…本当なの?』
弘子さんが怒りを秘めた震える声で訪ねる。
達弘さんは縦に首を振った。
『どうして…?あなた達はまるで兄弟のように過ごしてきたじゃないの…』
『ああ、俺にば兄貴ばおらねがった…だがらおっぢゃんが確がにええ兄貴だっだよ…いづも優じぐ庇っでぐれだぁ…だがらごぞ…許ぜながっだ』
『…あ、あなた達2人に一体…何があったと言うの?』
弘子さんは険しい顔で達弘さんに問う。
村長を退いたとは言え、まだ荒岩では長のようなものだ。
彼女は厳しい声色で達弘さんを問い詰める。