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鬼ヶ瀬塚村
第31章 一人だけ居無くなる
無精子症、名前の通り射精した精液中に精子がいない状態の病だ。
女性を妊娠させる確率は極めて低く、男性の不妊病として有名だ。

達弘さんは…生殖機能障害だったのだ。

『紗江ば最初がらおっぢゃんに近付く為だげに俺ど友達になっでだんだ…なのによぉ…俺ばよぉ…なぁんも知らんど惚れぢまっでよ…』

達弘さんは肩を振るわせて泣き出した。
それでも僕を含めて一同は尚も黙っている。

『おっぢゃんば自分がら…俺の小刀で腹ばきっ裂いだ…俺はただ、見でるだげじが出来んがった…』

『だからって…殺す事はなかろうに…』

吾郎さんが呟いた。

『オラぁ人殺しだぁ…焼くなり煮るなり好きにじろッ!どこにも逃げやぁじねぇッ!!』

達弘さんは一同を涙で濡れた目で睨み付けた。
追い詰められた子犬のような目だ。

紗江さんの浮気を疑い、横山先生の診療所で診察を受けた彼は不安から僕を連れて結果を聞きに行ったのだ。
告げられたのは"無精子症"どう考えても和幸は達弘さんの血を分けた子供ではない。
一郎さんの子供だと考えるのが自然だ。
あれだけ仲が良さそうに見えた達弘さんと一郎さん、僕の知らない水面下では泥々した感情が渦巻いていたとでも言うのだろうか。

僕はキュッと下唇を噛んだ。
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