この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
鬼ヶ瀬塚村
第31章 一人だけ居無くなる
カヤさんがこの中で一番激怒しているんじゃ無いだろうか?
一郎さんは唯一成人を迎えられた大切なカヤさんの長男だ。
先に生まれた4人の兄達が病気で弱って死んでしまう度にカヤさんは途方も無い不安にかられた事だろう。

4人の我が子を失い、たった1人残った末の男子を改名してまで"一郎"と名付けたのは4人の死を乗り越えようとしたカヤさんの想いからかも知れない。

カヤさんはとてつもなく愛情深い女性だと、僕は思った。

『さぁ、話して?2人はどんな風だったの?』

弘子さんは淡々と典子ちゃんへ続ける。

『た…楽しそう…でじだ………』

『2人はどこで何をしていたの?』

『…一郎…ざんの…狩猟小屋ん中で………あの…ぞの…………』

『大丈夫よ、話してみなさい?』

『子作りば…しどり…まじだ………わだじ…怖ぐで…た…達弘さんに言おうがど…何度も…思っでだんだげんど…お…お…おっがなぐで…それで…』

典子ちゃんは小さく俯き、震えていた。
18歳の少女には少々酷な現実だったのだろう。
思い返しているのか唇までも小刻みに震わせていた。

『…なで…一番最初に言わながっだんじゃ…』

達弘さんがポツリと呟く。
隣で吾郎さんも頷いていた。
/486ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ