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鬼ヶ瀬塚村
第31章 一人だけ居無くなる
『典子さんの本質を知っていれば彼女が嘘つきではないと良くわかるはずですよ。それどころか、彼女はとても慈悲深い心の持ち主です。彼女に咎めを与える理由などありません。何人たりともそうはさせません』
『な…なでじゃッ?なで信じるんじゃッ!?鬼の仔ぞッ!?』
紗江さんは相変わらず顔を真っ赤にしたまま怒鳴り散らす。
『理由はありません。けれど、彼女は悪人ではありません。鬼の仔になったのも彼女が望んだからではありません』
弘子さんは冷たく言い放つ。
『そろそろ潮時だと思っていました。いい機会です…真理子、優子の隣の部屋は飽き部屋よね?』
『え…?うん、カラッポよ?』
『良いでしょう。典子さん、今日からあなたは優子の隣の部屋で生活なさい』
『えッ………お…奥様?』
典子ちゃんは驚いた顔のまま一時停止してしまった。
『もう良いでしょう。許しておやりなさい』
弘子さんは吾郎さん、邦子さん、達弘さん、僕、カヤさん、真理子さん、そしてカヤさんへと目配せした。
カヤさんが芋虫のように蠢き、吾郎さんは困ったような薄ら笑いで額を押さえた。
真理子さんはニヤニヤしながら頷き、達弘さんも首を縦に振っている。
邦子さんも肯定的な笑みだ。
『な…なでじゃッ?なで信じるんじゃッ!?鬼の仔ぞッ!?』
紗江さんは相変わらず顔を真っ赤にしたまま怒鳴り散らす。
『理由はありません。けれど、彼女は悪人ではありません。鬼の仔になったのも彼女が望んだからではありません』
弘子さんは冷たく言い放つ。
『そろそろ潮時だと思っていました。いい機会です…真理子、優子の隣の部屋は飽き部屋よね?』
『え…?うん、カラッポよ?』
『良いでしょう。典子さん、今日からあなたは優子の隣の部屋で生活なさい』
『えッ………お…奥様?』
典子ちゃんは驚いた顔のまま一時停止してしまった。
『もう良いでしょう。許しておやりなさい』
弘子さんは吾郎さん、邦子さん、達弘さん、僕、カヤさん、真理子さん、そしてカヤさんへと目配せした。
カヤさんが芋虫のように蠢き、吾郎さんは困ったような薄ら笑いで額を押さえた。
真理子さんはニヤニヤしながら頷き、達弘さんも首を縦に振っている。
邦子さんも肯定的な笑みだ。