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鬼ヶ瀬塚村
第32章 二人だけいなくなる
人間は独りでは生きられない────

人は容易くそれを口にするけれど、僕はその意味の本質をこの村で知った気がする。

僕は15歳の時に漫画を描いた。
それを見た真理子さんは18歳で東京に来た。
やがて僕らはともに暮らすようになった。
けれど、その影で弘子さんは毒を飲んでいた。
村人は優子に成人の儀を施そうとしていた。
宗二さんは地獄の底に立たされた。
ミュージシャンのTSUNAによって優子は夢を得た。
東京でミュージシャンになると言っていた。
紗江さんは一郎さんに恋をしていた。
一郎さんもまた紗江さんに恋をしていた。
紗江さんか一郎さんにほんの少し勇気があれば、一郎さんは死なず2人も達弘さんも幸せだったはずだ。

誰かの

考え

思い

行動

呼吸

そう、生きる1日、人生が誰かの人生の分岐点を時に作る。

行き先はわからない。
不幸なのか、幸せなのか。

けれど人は無意識に誰かの人生を作る。
悪意がなくとも誰かを不幸にする。
ヒエラルキーだ。
人生のヒエラルキー…。

僕はいつぶりなのかわからない立ち漕ぎで力強くペダルを踏み続けた。

僕がペダルを踏む事によって僕の知らない誰かが幸せになると願って。

少なくとも…自転車屋は…幸せになるのかな?
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