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鬼ヶ瀬塚村
第6章 晩餐
『おめまで東京いがれだら、村はどうなんだ?』
今まで無言だったカヤさんも一瞬ピクリと動いたが、目蓋を閉じてまた何かブツブツ言っている。
鬼武者と書かれた焼酎の瓶をキュッとあけながら吾朗さんはそう言った。その赤ら顔は赤鬼のように恐ろしい顔をしていた。
なんだか背筋がゾクッとなった。
『なんでオレばっがよぅ、姉ぢゃんはよぐでオレは駄目なんだぁ』
優子ちゃんが口を尖らせて言う。
『優子、やめなさい』
宗二さんが優子ちゃんからリモコンを奪うように取るとチャンネルをカチカチッと変えた。
"これは美味しい!…んーッ!!熱くなってきたぞーッ!!"
テレビ画面には先程の元テニスプレイヤーの男性が饅頭片手に画面に駆け寄る姿が映った。
『なんでがえるんじゃぁ、オレみどっだのにぃ!』
優子ちゃんがちゃぶ台をパタパタ叩きながら言ったが、宗二さんはリモコンを返そうとはしなかった。
『まだせだな』
調理場へ続く暖簾が揺れ、紗江さんが出てきた。平たく分厚いお盆に盛り合わせられた野菜が沢山並んでいる。
『今日どれだばがりだがんね』
紗江さんはそれをちゃぶ台へとテキパキ運ぶ。
『おい、宗二』
吾朗さんは酔い始めたのか、少しガラの悪い口調で宗二さんの名前を呼んだ。
『わかりました』
宗二さんは吾朗さんにリモコンを渡すと立ち上がり、僕に
『少しお待ちくださいね』
と笑顔を向けた。
今まで無言だったカヤさんも一瞬ピクリと動いたが、目蓋を閉じてまた何かブツブツ言っている。
鬼武者と書かれた焼酎の瓶をキュッとあけながら吾朗さんはそう言った。その赤ら顔は赤鬼のように恐ろしい顔をしていた。
なんだか背筋がゾクッとなった。
『なんでオレばっがよぅ、姉ぢゃんはよぐでオレは駄目なんだぁ』
優子ちゃんが口を尖らせて言う。
『優子、やめなさい』
宗二さんが優子ちゃんからリモコンを奪うように取るとチャンネルをカチカチッと変えた。
"これは美味しい!…んーッ!!熱くなってきたぞーッ!!"
テレビ画面には先程の元テニスプレイヤーの男性が饅頭片手に画面に駆け寄る姿が映った。
『なんでがえるんじゃぁ、オレみどっだのにぃ!』
優子ちゃんがちゃぶ台をパタパタ叩きながら言ったが、宗二さんはリモコンを返そうとはしなかった。
『まだせだな』
調理場へ続く暖簾が揺れ、紗江さんが出てきた。平たく分厚いお盆に盛り合わせられた野菜が沢山並んでいる。
『今日どれだばがりだがんね』
紗江さんはそれをちゃぶ台へとテキパキ運ぶ。
『おい、宗二』
吾朗さんは酔い始めたのか、少しガラの悪い口調で宗二さんの名前を呼んだ。
『わかりました』
宗二さんは吾朗さんにリモコンを渡すと立ち上がり、僕に
『少しお待ちくださいね』
と笑顔を向けた。