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鬼ヶ瀬塚村
第6章 晩餐
『まぁ、飲めや』

言いながら吾朗さんは湯飲みをあおった。

『ノブよぉ、あんま優子をがらかわんでぐれねぇが?』

『えッ?』

吾朗さんは先程とはうって変わった寂しそうな表情をしていた。なんとも言えない悲しそうなやつだ。

妙な沈黙が訪れ、あたりはテレビからの"やれるやれる!絶対やれるやれる!諦めちゃ駄目だ!"と叫ぶ元テニスプレイヤーが饅頭にかぶりつく音が響いた。

『あの娘にはな…東京に行がせだくはないんだ』

小さく呟き、吾朗さんは再び湯飲みをあおった。

『過疎化っでわがるだろ?』

『ええ…』

過疎化、日本中の小さな農村地帯が抱える社会問題だ。少子化の拍車でそれはいよいよ各村を圧迫させている。
よくテレビや新聞でも取り沙汰れ、知らない人はあまりいないだろう。
若い人間が村から都会へ行く為、その土地の若い働き手がなくなり土地が痩せるのだ。
跡継ぎを探す呼び掛けをする農家もいる。
僕は同じようにその問題を抱える荒岩家にいるのだ。なんだかとても申し訳ない気持ちになった。

『そりゃあな、真理子がここで弘子のあどづいて村長やっでぐれりゃあいい』

僕は何も言えなかった。

『だげんどな、おめの顔見てオラぁ思ったわけよ…』
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