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鬼ヶ瀬塚村
第6章 晩餐
僕はムッとしたが何も言い返せなかった。彼が尊敬している漫画家それは姉である肉きゅうミケの事だろう。
少女向けのホラー漫画家とは言え、映画化や特集番組でも話題が持ちきりになる。
20代後半の彼ですら興味はあるだろう。

真理子さんが居なくなるのを見てから達弘は再び執拗に言ってくる。

『おめはよぉ、どんなん描いでんだ?あ?』

『よしなさい達弘』

宗二さんが止めに入るが達弘さんはお構いなしだ。

『おうッ!何描いでんじゃ?』

『し…少年…漫画を…』

『ボソボソ喋ってぎごえねぇなぁ~!もっどおっぎぐ言えやッ!』

達弘さんはニヤニヤしている。その隣で優子ちゃんは線香花火をいじっていた。

『少年…漫画です』

『はッ?少年漫画だぁ?しょんべんくせぇッ!なんて雑誌だよ、オラ見てやるよッ!』

僕は額に冷たい汗を感じながらポツリポツリと答えた。

『む…昔の…話ですし…少年ステップ…に昔…連載を…』

『昔の話だぁ~?んじゃ、おめ今はどごで何やっでんだ?あ?』

『エロ漫画家だよ!エロ漫画家!文句あっか!?』と、脳内で僕は達弘さんに掴みかかっていた。脳内の達弘さんの顔を何度か殴りつけ、その想像はスーッと消えた。
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