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鬼ヶ瀬塚村
第6章 晩餐
『もういいっぺ。はよぅ花火しようべば』
優子ちゃんがちゃぶ台をトントンッと叩いて言った。
『兄ぢゃんもしつげぇよ。ノブ困ってるだ』
妹から言われ、達弘さんはばつの悪そうな表情になった。そして紗江さんと窪塚のおばさんが洗い物をしている調理場へと消えていった。
『ノブぅ!花火やろうよ!花火!』
僕が宗二さんの顔をチラッと見ると、宗二さんは笑顔で頷いた。
それを見て安心した僕は
『いいよ、どこでやるの?』
と立ち上がる。
『庭の裏んとこ!オレがづぐった紙風車がいーっばいあるんだっぺ』
なかなか良さそうな場所だ。僕は居間にいる宗二さん一郎さんと吾朗さん、そしてカヤさんと人形のように動かないクニさんに頭を下げて優子ちゃんについて行った。
背後で"ぼぢぼぢ、ばぁぢゃん部屋に帰すだ"と一郎さんの声がする。クニさんはまた同じように運ばれていくのだろうか。彼女は一体何の為にあの場にいたのだろう。
家族団らんの晩飯を囲む目的と言うより、あの黒い塊を口にする場面を見せる為だけのようだった。
あの黒いモノは一体なんだったのだろう?
黒豆かな?
『ノブ!はよッ!こちじゃ!こっぢ!』
優子ちゃんが呼んでいる。
僕は彼女の後を追った。
優子ちゃんがちゃぶ台をトントンッと叩いて言った。
『兄ぢゃんもしつげぇよ。ノブ困ってるだ』
妹から言われ、達弘さんはばつの悪そうな表情になった。そして紗江さんと窪塚のおばさんが洗い物をしている調理場へと消えていった。
『ノブぅ!花火やろうよ!花火!』
僕が宗二さんの顔をチラッと見ると、宗二さんは笑顔で頷いた。
それを見て安心した僕は
『いいよ、どこでやるの?』
と立ち上がる。
『庭の裏んとこ!オレがづぐった紙風車がいーっばいあるんだっぺ』
なかなか良さそうな場所だ。僕は居間にいる宗二さん一郎さんと吾朗さん、そしてカヤさんと人形のように動かないクニさんに頭を下げて優子ちゃんについて行った。
背後で"ぼぢぼぢ、ばぁぢゃん部屋に帰すだ"と一郎さんの声がする。クニさんはまた同じように運ばれていくのだろうか。彼女は一体何の為にあの場にいたのだろう。
家族団らんの晩飯を囲む目的と言うより、あの黒い塊を口にする場面を見せる為だけのようだった。
あの黒いモノは一体なんだったのだろう?
黒豆かな?
『ノブ!はよッ!こちじゃ!こっぢ!』
優子ちゃんが呼んでいる。
僕は彼女の後を追った。