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鬼ヶ瀬塚村
第7章 少女の想い
『涼しくて気持ちがいいね、少し寒いくらいだ』
優子ちゃんに連れられて僕は荒岩家の裏庭へとやってきた。
程よい高さに作られた柵には風車がクルクルと回っている。
赤や青、緑といったそれは手のひら程のとても小さな物だった。
全部で100個近くの風車が一列に長く並んでいて、キィキィと音を立てていた。途中からは並び切れなかったのか、二段目へと続いている。
『これ、全部優子ちゃんが作ったの?凄い数だね』
『そうだっぺ。今夜もまた1つ作るんだば』
優子ちゃんはしゃがみこみ、火の点いたロウソクのロウを地面に2~3滴落とした。
そしてその溶け出たロウの上に慎重にロウソクを立てた。
『趣味か何かなの?随分器用なんだね、こんな小さな風車なんて初めて見たよ』
優子ちゃんはアニメのキャラクターが描かれた大きな花火の袋から花火をバラバラと地面に出した。
『趣味じゃねぇっぺ…決まりなんだ』
そして一本のピンク色をした長い花火を手に取ると、その先をロウソクの炎へ近付けた。
一瞬間がありシャーッと音を立てて花火が赤い火花を出す。
あたりは火薬の焼ける特有の匂いが漂い始めた。
『決まりって?誰かに頼まれて作ってるの?』
優子ちゃんは立ち上がった。赤い火花がすすきの穂のようにしなり、地面へと落ちては消えてゆく。
優子ちゃんに連れられて僕は荒岩家の裏庭へとやってきた。
程よい高さに作られた柵には風車がクルクルと回っている。
赤や青、緑といったそれは手のひら程のとても小さな物だった。
全部で100個近くの風車が一列に長く並んでいて、キィキィと音を立てていた。途中からは並び切れなかったのか、二段目へと続いている。
『これ、全部優子ちゃんが作ったの?凄い数だね』
『そうだっぺ。今夜もまた1つ作るんだば』
優子ちゃんはしゃがみこみ、火の点いたロウソクのロウを地面に2~3滴落とした。
そしてその溶け出たロウの上に慎重にロウソクを立てた。
『趣味か何かなの?随分器用なんだね、こんな小さな風車なんて初めて見たよ』
優子ちゃんはアニメのキャラクターが描かれた大きな花火の袋から花火をバラバラと地面に出した。
『趣味じゃねぇっぺ…決まりなんだ』
そして一本のピンク色をした長い花火を手に取ると、その先をロウソクの炎へ近付けた。
一瞬間がありシャーッと音を立てて花火が赤い火花を出す。
あたりは火薬の焼ける特有の匂いが漂い始めた。
『決まりって?誰かに頼まれて作ってるの?』
優子ちゃんは立ち上がった。赤い火花がすすきの穂のようにしなり、地面へと落ちては消えてゆく。