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鬼ヶ瀬塚村
第7章 少女の想い
『真理子さん、ちょっと酷すぎるんじゃない?』
僕が言うと真理子さんは地面に散らばった花火の残骸を空のバケツに放り込みだした。
黙々と拾っては放り込む真理子さん。
『真理子さん、聞いてるの?』
少し沈黙があってから真理子さんがこちらを振り返りながら言った。
その顔は夜叉のような力強い怒りの顔をしていた。
『まさか…どどの話まで聞いたんじゃないわよね?』
今までにない凄みのあるその顔は月の下で青白く光り、爛々と怒りの炎を上げる目玉を浮かび上がらせていた。
何度かこんな風に威圧的な真理子さんを見た事はあったが、今にも僕に掴みかかりそうな彼女は本当に猟奇的で本当に初めて見るものだった。
怖い
だけど答えなくちゃ…!
喉仏を上下して生唾を飲みこむ僕。
『…聞いてないよ…ただ、ミュージシャンのTSUNAが村に来たってだけを聞いたんだ』
『本当に?』
『本当だよ、優子に聞いてみればいいよ』
真理子さんは"ふぅッ"と息を吐くとしばらく水溜まりを見下ろしていた。
『ならいいんだけど…』
『優子に謝りなよ?』
『わかってるわよ…』
真理子さんはフラリとバケツを手にして僕の横を通り過ぎようとした。
『…お母さん…待ってるから』
真理子さんはボソッと呟きノソノソと歩いていく。僕は彼女の後に続いて歩いた。ほんの少しだけ距離を置いて…。
僕が言うと真理子さんは地面に散らばった花火の残骸を空のバケツに放り込みだした。
黙々と拾っては放り込む真理子さん。
『真理子さん、聞いてるの?』
少し沈黙があってから真理子さんがこちらを振り返りながら言った。
その顔は夜叉のような力強い怒りの顔をしていた。
『まさか…どどの話まで聞いたんじゃないわよね?』
今までにない凄みのあるその顔は月の下で青白く光り、爛々と怒りの炎を上げる目玉を浮かび上がらせていた。
何度かこんな風に威圧的な真理子さんを見た事はあったが、今にも僕に掴みかかりそうな彼女は本当に猟奇的で本当に初めて見るものだった。
怖い
だけど答えなくちゃ…!
喉仏を上下して生唾を飲みこむ僕。
『…聞いてないよ…ただ、ミュージシャンのTSUNAが村に来たってだけを聞いたんだ』
『本当に?』
『本当だよ、優子に聞いてみればいいよ』
真理子さんは"ふぅッ"と息を吐くとしばらく水溜まりを見下ろしていた。
『ならいいんだけど…』
『優子に謝りなよ?』
『わかってるわよ…』
真理子さんはフラリとバケツを手にして僕の横を通り過ぎようとした。
『…お母さん…待ってるから』
真理子さんはボソッと呟きノソノソと歩いていく。僕は彼女の後に続いて歩いた。ほんの少しだけ距離を置いて…。