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鬼ヶ瀬塚村
第10章 禁句
朝食は昨晩の晩飯と同じような感じだった。
流石に窪塚のおばさんはいなかった。
そして、クニさんが上座にいない。
晩飯の時のみ姿を現すのだろうか?

ちゃぶ台を囲み、荒岩家が皿をつつく。
朝食にも肉や野菜がてんこ盛りと並んでいる。
本当に荒岩家の人達は大食らいだ。

相変わらず僕だけ皿は別にされている。
"特別じゃ""客人だがら"と、同じ皿をつつかせてはくれないのだ。

僕の隣では真理子さんが昨夜のように箸を忙しく動かしている。
奥に座る優子もだ。
そして達弘さんも、紗江さんも、邦子さんもだ…。

箸を小さく動かしているのは宗二さんと一郎さんだけだ。
相変わらずカヤさんは時折芋虫のように揺れる程度で"じぃさんや……づげもん……"とかすれた声で言うのだ。

吾郎さんは面倒そうな表情をするものの、カヤさんのヨダレでテカる口元へと小さく切った漬物を運ぶのだった。

僕はジッとカヤさんを観察していた。確かに痴呆を患った老人のようだ…藤沢の施設にいる祖母とよく似ている。
しかし一郎さんを産んでわずか4~5年でボケ始めるだろうか?
子育てでそんな風になるとは到底思えない。

不意にカヤさんと目が合った。
僕は慌てて目を伏せる。カヤさんのその目がとても81歳の目とは思えなかった。
そうだ、怒りを秘めた時の真理子さんに似ている。
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