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あなたの胸の中で眠る花
第7章 ♢過去*
目を覚ますと、部屋は真っ暗だった。
少し体は軽くなり、朝よりはだいぶマシになった。
改装中の教室で、気付いたら寝ていたなんて、まるで子どもだな。風邪をひくのも当然だ。環境が変わったせいもあるだろう。色々疲れが溜まっていたか。
電気を点けようとベッドから出ようとしたとき、何かに当たった。
ゴロン、と床に落ちたそれに触れたら、ふにっと柔らかいものを掴んでしまった。
え、まさか…
俺は慌てて電気を点けると、ベッド横に倒れて眠っている片瀬さんがいた。そうだ、朝彼女に偶然会って、部屋まで運んでもらったんだ。用意してくれたのか、棚にポカリや茶碗に入ったお粥が置いてある。額にはすでに温くなった冷えピタが貼ってあった。
看病してくれたのか。感謝しなくては。
彼女を起こそうとしたが、とても気持ち良さそうに眠っていたので、もう少し寝かせてあげることにした。自分の汗が染み付いたベッドに寝かせるわけにはいかず、部屋の隅にあるソファに静かに運んだ。先ほど彼女の胸に偶然触ってしまったことに微かな罪悪感を抱きながら。