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あなたの胸の中で眠る花
第2章 真冬が繋ぐ出会い

佳永子先生は施設長で私の保護者のような人。ハキハキしていつも明るいから子どもからも職員からも慕われている。私が一番最初に心を開いたのも佳永子先生だった。

'こっちゃん' は私のあだ名。もう子どもじゃないから少し恥ずかしかったりするけど、パパが昔そう呼んでいたから、私は気に入っている。

ゆっくりと起き上がる。外はもう真っ暗だった。そういえば、痴漢のことは知られてないよね…言ったら色々面倒そうだし、むしろ倒れてよかった。少しだけ蘇る電車内の記憶に動悸が激しくなった。忘れよう。早く忘れよう。

数分後、医師と看護師が来た。原因は分からないが、ストレスからくるものだろうと診断された。大したことはなかったが夜も遅いし、大事をとって一晩だけ入院することになった。佳永子先生は付き添うと言ってくれたが、私は平気だからと断った。なんだか今日は一人になりたかったから。

入院の準備を手伝ってくれた看護師のお姉さんが病室を出て行こうとした時、彼女は思い出したように言った。

「そうだ、片瀬さんが運ばれた時、男性の方が付き添ってくれたんですよ。四十代くらいだったかな?名前を聞こうとしたけど、急いでたみたいだから聞きそびれちゃって…片瀬さんの知り合いではないよね?」

男の人…まさか痴漢の男じゃないよね。そんなわけないか。

「あら、優しい人がいるのね。お礼したいけど、名前も分からないなら…どうしようもないわね」

佳永子先生が残念そうに言う。
隣にいたあの男の人かなぁ。人の良さそうな顔をしてたし。助けてもらったのにお礼も言えないなんて心残りだな。

看護師のお姉さんと佳永子先生が病室を出て行くと、私はベッドに横になった。


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