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人魚島
第4章 咲子の村案内
『うち年に数回しか母ちゃんと呉市のショッピングセンターに行かんけん、島の外側が気になっとるねん、なぁ、東京は人凄いんやろ?建物だって仰山建ってるんやろ?ハルキの実家は何処にあるん?』

咲子が目をキラキラさせながら訊ねて来る。

『蔵前だよ、浅草解る?あそこの近く、後はスカイツリーの近く』

『兄弟はおるん?』

『4歳下に妹がいるよ、今小学校五年生、憎たらしいよ。もう彼氏気取りの男が数人居るんだよ』

『ハルキの妹やったら可愛いやろなぁ、お父さんはなんの仕事してはるん?』

『氏が無いただの銀行員、お袋は専業主婦だよ』

『ハルキの母ちゃんとか別嬪さんやろなぁ』

『昔はタレント紛いな事したり、モデルだったらしいよ』

僕の返答に『ああ…』と感嘆の溜め息を吐き出す咲子。

『20歳で30歳の親父と結婚して翌年には僕を出産、まだまだ三人目欲しいだとか言ってるよ…ハハハ…』

『夫婦仲は良いんだ?』

『うん、週末には品川のステーキハウスでデートしてるよ』

『そう言う夫婦に憧れるわぁ、あ、なぁ、ハルキ、音楽室行かへん?ピアノ聴かせたるけん』

咲子がニッコリ微笑む。

『本当?良いの?』

『特別じゃけん、行こ』

咲子が例に習ってイチャイチャしながら手を繋いで来る。
僕はそれに応じながら教室を出て三階に上がり、渡り廊下を横切って埃っぽく誰も居無い音楽室に忍び込んだ。
防音の白い壁、黒く重たいカーテンが閉まっている。
咲子がバサッとカーテンを開けば埃を舞い上げながら西日が射し込んで来る。
咲子が早速何やらピアノの鍵盤に指先を這わせ『何が聴きたい?リクエストして?』と笑う。
『別れの曲』とピアノの前に胡座をかく僕に『簡単やけん』と優しく別れの曲を奏で始める咲子。
優しく優しく静寂の二人切りの空間に別れの曲が流れる。
4分半程してアウトロ部分に差し掛かり咲子が手を休めた。
僕は咲子に盛大な拍手を送った。
咲子が『まだまだ序の口やけん』と息巻き東方神起のどうして君を好きになってしまったんだろうを弾き語りする。
咲子の甘く可憐な歌声に耳を傾けながら僕は目蓋を閉じた。
途端劣情が込み上げて僕はゆっくり咲子に近付き手首を掴んだ。
『あ…ハルキ?な、何?』期待しているのか僅かに頬を上気させている咲子の顎先に口付けした。
チュッと離れて行く唇。
僕はゆっくり咲子を押し倒した。
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