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人魚島
第5章 夏祭り
『そうだ、お袋はフィリピン人やったんや。んで娼婦街でナンバーワンの稼ぎ手やった。呉市でな。んで見かねた親父がお袋を身請けしたんや』

『え?橘の母ちゃんフィリピン人やったんか?なら橘はフィリピン人のハーフなんか?』

『間違い無く親父との間のガキならな…お袋は癌でくたばる俺が15歳迄売春して身体売っとった。なんせ父親は笑えるが50代の新聞配達員やった。退職金せしめる為に早期退職したんや、畜生アホたれめ』

『大学はどないしたんや?』

『あん?ああ、奨学金制度利用したよ、もう返済済みだわ。なんとなくよ…』

橘さんが大の字に仰向けになる。

『蓮はお袋に似とる。匂いとかな、キラキラ太陽の匂いと瀬戸内海の潮の香りがした』

そして副流煙を吐き出す橘さん。

『そう言った要素が似とったけん、生憎蓮とは恋仲にはならんかった。ありがてぇよ、俺には三咲がおるけんな』

『母ちゃん一筋なんけ?』

『当たり前やろ?あんなええおなご早々にいねぇし、オマンコとチンコの相性も抜群や、離さん』

『それは恋心なんか?』

咲子がアイスキャンディーのスティックをゴミ箱に捨てながらほろ酔いを傾けた。

『あん?ああ、畜生、惚れてるよ骨の髄迄な』

橘さんがニヤリとしながらナイター野球番組を付けた。
広島カープが阪神と混戦していた。

『あんな女神様みてぇな優しい慈悲深いおなごいねぇよ、ああ、畜生、チンコ勃って来やがった…三咲抱きにスナックマーメイドちと行って来るわ』

橘さんが軽トラのキー片手に立ち上がった。

『じゃあな餓鬼共、明日は早朝から明さん帰って来るけん、はよ寝ろよ?』

足早に立ち去って行く橘さん尻目に二本目のほろ酔いのプルに指を重ねる咲子。

『もう6時か』

花子が呟く。
玄関からは慌ただしく鍵を閉める音がした。

『朝4時には港に魚姫丸来るけんそろそろ寝よか』

花子が立ち上がる。
ナイター野球番組を消して僕と咲子も立ち上がる。
混戦の行く末が気になったが、今は明さんの方が気になる存在だった。
課目でシャイなタイプの明さん、どう言った海の男なのだろう?
歯磨きをして咲子の二段ベッドで眠る。
早朝3時半に花子に起こされ僕と咲子はノロノロ着替えて自転車で漁港にやって来た。

『父ちゃんだ』

花子が大海原海岸線を指差した。
ゆっくり大型漁船が近付いて揺れている。
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