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人魚島
第2章 人魚島
僕は手摺にもたれ掛かりながら体重を掛け右手で陰茎を握り咲子のプリプリとしたお尻を思い出しながら陰茎をシゴいた。
もはやスマートホンは必要無かった。

『畜生ッ!気持ち良いッ!気持ち良いッ!』

僕はすぐさま射精した。
ビュルッビュルッと発射される精液。
昨晩処理を怠ったからだ、活動的な睾丸は蛋白質タップリの濃い濃い精液を作り出し発射させていた。

『…あ、はぁッはぁッ…咲子さん…咲子さん…』

僕はハァ…ハァ…と荒い呼吸を繰り返しながらへたりこんだ。
しばらく絶頂の余韻に浸り僕はトイレットペーパーで便器の隅を拭いた。
白濁した寒天ゼリーみたいな精液がベッタリ付着していた。
そして栗の花臭い右手を洗い流しハンカチで拭いて立ち上がり施錠を開けようとしたが…なんと…鍵は施錠されてい無かった。
サァッと青い冷や汗が溢れ、僕はまさか咲子に聞かれたんじゃ無いかと震えた。
ワナワナ震えながら座敷に戻れば咲子が何やらニヤニヤしている。
バレたかと勘繰りモジモジしながら咲子の隣に座れば何やら咲子は膝の上にファッション雑誌を見下ろしている。

『船着き場の英子おばちゃんが仕入れてくれるファッション雑誌なんや』

『英子おばちゃん?』

『雑誌屋さん、この前唯一無二の本屋さん高齢者でお店畳んだけん、やから孫の英子おばちゃんが台車つこてな、島の南側回って売っとるねん』

ああ、成る程。
そうなんだ。
納得しながら頷く僕と咲子。
咲子でまさか抜いたとは堪付かれてい無いだろう。
薄々堪付かれていたらどうしようか?とやきもきした。

『咲子さん』

不意に名前を呼べば『咲子って呼んでよ』と笑われる。

『じゃあ咲子、さっきトイレですぐ離れてくれた?』

『え?う、うん』

なんとなく歯切れが悪い気がして真っ直ぐ咲子の目を見られ無い。
恥ずかしさを誤魔化す為にグラスを傾けた。
仏壇から線香の香りが漂っていた。

『線香やるか?』

『うん』

咲子がマッチを擦る。
途端マッチ特有の香りがした。
咲子が白い使いさしの蝋燭にマッチの先端を近付けた。
途端燃え盛る蝋燭。
僕は深い緑色の線香を蝋燭の火に近寄らせた。
途端線香特有の香りが辺り一面にフワッと香った。
鈴を鳴らし手を合わせ慎三さんの冥福を祈ったが気の効いた言葉が浮かんで来ない。
仕方無いので手を下ろした。
遺影にはどうしようも無いイケメンが…。
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