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人魚島
第5章 夏祭り
『別れたばかりの彼女が居ます』 

『フラれたんか?』

違う…あれは…。

『僕の方から別れを切り出しました』

『傑作やなぁ、あらかた咲子に惚れたんやろ?ちゃうか?』

『そうです』

静かに静かに景色が背後に流れて行く。

『咲子は魔性の女やからなぁ、まぁ、しゃあ無いよ?うちかて健康な雄やったら惚れとるわ』

『はぁ』

『で、アンタはシャブ興味無いの?』

『ある訳無いじゃ無いですかッ?』

慌てて頭を左右に振った。

『そうか、キメセクしたくなったらいつでも言うてな?無料とは言えん…せやな、セックス二回戦で譲ったるさかい』

クスッと笑いながら僕の頭をワシャワシャする無邪気な蓮さんにやや呆れてしまう。

『蓮さんって本名教えてくれ無いんですか?』

『あん?本名も何も"蓮"が本名やから、死んだじぃさんが熱心な仏教徒だったんだ、やから蓮って名付けられたんだよ、全く重たくてしゃあねぇよ』

言いながらも笑う蓮さん。

『春樹は春生まれなのか?』

『いえ、6月生まれなのに夏樹じゃ無くて春樹なんですよ、笑えるでしょ?』

『あん?何日生まれ?あたしも6月生まれだよ、日付は30日』

『あ、一緒だ』

『マジか、奇遇だな』

『血液型は?』

『なんだよ?相性占いでもやるんか?AB型だよ、春樹は?』

『僕もです』

『なら相性ピッタリだな、ハハッ…だからかなぁ?初めてなのに身体も相性ピッタリだったのかなぁ?ちなみに咲子はO型、残念だったな、相性は…最悪だ』

『ハハハッ』と笑う蓮さん。
可愛らしい人なんだと初めて知った。
爽やかな朝方、僕等は無事に売春街に辿り着いた。

『じゃあまたな春樹』

蓮さんがロッキンホースベイビーを鳴らしながら魚姫に入って行く姿を見届けてから僕は魚沼家を目指した。
勾配な坂道を立ち漕ぎで疾走し、咲子の待つ魚沼家の門をくぐれば相変わらず花子が庭先の草むしりを独りでしていた。

『よう』

可愛らしく橘さんの物真似をする花子。

『ねぇ、花子…この写真なんだけど』

『何?』

僕はゆっくりジーンズのポケットから花子が写った写真を取り出した。

『これは花子だよね?』

『………』

何故だか花子は押し黙ってしまう。

『答えてよ、真実を知りたいんだッ!』

思わず花子か細い二の腕を掴む僕に対して顔を伏せながら何やらブツブツ言う花子。
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