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人魚島
第5章 夏祭り
原付を押しながら穂波さんに付いて行く。

『後ろ乗る?』

『咲子が居るのに良いの?』

ああ、咲子にバレたらまたガミガミ口やかましいだろうな、穂波さんが言う通り止めておこう。
どやされる嫌な咲子が思い浮かんだ。

『そうだね、止めておくよ』

『春樹くんって本当に咲子が好きなんだねぇ』

穂波さんがニコニコしながら僕を見上げる。
本当に小柄だ148㎝程度の花子より小さな145㎝程度しか無い。
気にしているのか一昔前に流行った厚底スニーカーを履いていたがそれでも150㎝程度にしかなら無い。

『いつまで島に居るの?』

穂波さんが訊ねて来る。

『夏休み一杯はお世話になるつもりだよ』

『じゃあ8月末迄居るんやね』

『うん、まぁ、遊んでばっかりいられ無いけどね、これでも一応受験生だし』

『私は来年受験生やねん』

『あ、咲子と同級生なんだってね、聞いたよ、学校でも席が隣同士だって』

『うん、今13歳、再来月お誕生日なんよ』

はにかむ穂波さん、奥二重の目がキラキラしている。

『しかし、穂波さんみたいな真面目な子が花火の時は缶ビールグビグビするとは思わ無かったよ』

『そう?』

『うん、なんか学級委員長って感じなのにな』

『アハハッ…実際そうだよ』

『やっぱりか、後は学年で一番の成績って感じがするね』

『実際そうだよ?中間試験、期末試験どちらも90点台100点満点…だからかな、良い子してると疲れちゃって羽目外したくなるんや…』

穂波さんが眼鏡が外した。
決して美少女では無かったが可愛らしい子犬みたいな顔立ちだった。

『この眼鏡だってさ、父親に『賢く見えるけん』って手渡された伊達眼鏡なんよ、母さんの形見…』

『え?』

『私の母さん、海女さんで9年前に事故で溺れて死んだんだ…まだ働き盛りの21歳やった』

『………』

『ごめん、なんかしんみりした話題になっちゃったね、私当時5歳だったから母さんの事はなんとなくでしか覚えてへんねん、生きてたら30歳…まだまだ働き盛りやなぁ…ごめん、話題変えよう』

『穂波さんは部活何してるの?』

『咲子と一緒、吹奏楽部、担当はサックス』

『へぇ、僕も吹奏楽部だよ、ベースやってる』

『ベース弾けるんだ…あ、ならまだ間に合うかな?』 

不意に思い出したかの様に穂波さんが立ち止まったので僕も立ち止まった。
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