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人魚島
第5章 夏祭り
『うん?』

立ち止まり何やら考える様に口元に指先を這わせる穂波さん。

『実は今夜の夏祭りの演奏に…バンドグループ…あるんやけどベーシストが敦くんなんやけど、昨日深夜にガソリンスタンドの先輩アルバイトさん殴って右手怪我してベース弾けなくて…敦くん達のバンドグループ…不参加になっちゃったみたいなの、禅くんがギター、正太郎くんがドラム…ボーカルが…』

『花子だね?』

『うん、なんだ知ってたんや、あの子が村一番の歌い手だって事』

『なんとなく聞いたよ、で、代わりに僕にベーシストやって欲しいって訳?』

『そう、演目は前前前世…弾ける?』

『余裕』

『良かったぁッ!じゃあ私が祭の運営さんに連絡するけん、バンド復活させて花子に歌わせてやってよ』 

『しかし女の子の花子があのテノールボイスの前前前世歌えるかなぁ?』

『花子は絶対音程外さ無いよ?必ず歌い切ってくれるよ、あ、漁港見えて来たけん、後は近いよ』

ふと穂波さんから視線をずらし前を向け見慣れた漁港とパーラー末次と駄菓子屋遠山が見えて来た。

『午後には禅くんも漁から戻るけん…敦くんからベース借りてみんなでセッションして慣らしてみたらどうかな?』

漁港を横切り、パーラー末次と駄菓子屋遠山の横を横切って行く。
そして何やらゴミゴミした喫茶店や定食屋が5~6軒並ぶグルメ通りと言えば聞こえは良いが、とにかくそんな場所を横切り更に進むと市場が見えてきた。
スーパーマーケットと言えばこれもまた聞こえは良いがザックリとしたスーパーマーケットだ。
壁が無く、巨大な塗炭屋根の下、風呂敷を広げそこに商品を並べた商人達が25人程居たが扱っている物は似たり寄ったりだ。
市場とは個人経営者の寄せ集めの場の様だ。

『アンタら来たんや』

不意に小太りでノーメイクのオバサンがのっしのっしと近寄って来た。

『アンタが噂の篠山春樹くんやな?』

オバサンが咥え煙草のまま唇をニヤリとする。

『あ、禅くんと敦くんのお母さん、おはようございます』

穂波さんがオバサンに頭を下げる。
どうやらこの咥え煙草の女性が禅さんと敦さんの母親らしい。

『初めまして、そうです篠山春樹と言います』

『うちは敦子、ここでパートしてるねん、何探してんの?』

まさかコンドームとは言え無い。

『適当に…ブラブラ見に来ました』

『コンドームちゃうの』
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