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人魚島
第2章 人魚島
大人しく素麺を啜ってしばらく時間を潰せば咲子が『村案内するよ』と立ち上がる。
『行くの?』と続いて立ち上がれば咲子がまた不意に手をギュッと繋いで来た。
恥ずかしさに顔を紅潮させれば咲子は涼しい顔付きで玄関に引き寄せる。
コンバースのスニーカーを履いて、出掛ける支度を整えれば咲子が先程買った遠山駄菓子屋のチューインガムを僕に手渡して来た。
僕はそれをほりこみモグモグ咀嚼した。
早速早々に咲子はチューインガムを膨らませていた。

『美味いやろ?』

ニコニコしながら咲子が耳元に長い髪の毛を掛けながら僕の顔を覗き込んでくる。
途端そんな仕草にも愛くるしい目付きにもドキンッとした。
セクシーな手付きに思わずクラクラした。

『お、美味しいよ?』

頷きながら咲子の手を然り気無くギュッとした。
自然に顔が近付き…そして…キス出来そうな距離になった次の瞬間花子が走って来た。

『一緒に行こうよッ』

咲子が僕の手をギュッとしながら物凄い形相で花子を睨み付けた。

『嫌だよ、アンタ妹だろ?言う事聞けよ?』

『え?』

『付いてくんな、行こう、ハルキッ!』

僕の手をギュッとしながら走り出す咲子。
僕らは手を繋ぎ合ったまま、坂道を下り三咲さんの店先を通り過ぎ様としたが『ああ、咲子、昼飯食ったのか?』と橘さんが三咲さんに先程着せていた白いYシャツに黒いジーンズにサンダル姿で煙草を吹かしている。

『………』

キッと橘さんを見上げ睨み付ける咲子。

『おぉ、おっか無い顔やな…また三咲は飯作らんかったんか?野暮な女やで、しかし』

『………』

『最近三咲に似てきたな、その目付きだとかそそるわぁ、赤神様まだやろ?おっちゃんが相手したろか?』

『いらんッ!』

咲子が橘さんを睨み付けながら僕の手をギュッとした。

『なんや?また外部の人間に片想いか?気が早いんは三咲みたいやなぁ』

『やかましいわッ!』

外部の人間に片想い?
僕は小首を傾げた。

『何手ぇ繋いどんねん、俺は未来の父親やぞ?ヤラせろやッ?』

不意に橘さんが咲子の手を掴み上げた。
酔っ払っているに違い無い。

『止めてあげて下さいよッ!』

僕が声を上らげた時だ柿が降って来た。
見上げればピョイピョイ落下して来る。

『花子ッ!止めろやッ!』

柿の一つが橘さんに当たりYシャツをオレンジ色に染めて行く。 
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