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人魚島
第5章 夏祭り
僕はボロボロ号泣しながらハァハァと荒い呼吸を繰り返していた。
花子はしばらく天井を見詰めながら無言だったが、不意にゆっくり上体を起こして僕を無表情で眺めた。
チッチッチッチッチッ…と壁の丸い時計の秒針の音だけが僕のハァハァに混ざり静寂の中に響いていた。
花子と見詰め合う事およそ2分、ゆっくり花子が口を開いた。

『あ…すっごくエッチな顔してる』

『え?』

僕は自身の頬を撫でた。
涙で濡れたそれは上気した頬の上で生温かい。

『気持ち良かった?』

『………』

『ねぇ、気持ち良かった?』

『………』

花子が無表情のまま小首を傾げる。

『ねぇねぇ、気持ち良かった?』

僕はゆっくり頭を左右に振った。

『へぇ、気持ち良く無かったんだ?』

僕はゆっくり再び頷いた。
その時だった。
隣の隣の部屋、つまりは咲子の部屋の襖が開く音がしたのだ。

『お姉ちゃん帰って来たんだね』

花子がティッシュペーパーを僕の方に手渡して来た。

『謝って来たら?』

花子は股をティッシュペーパーで拭き取り『わ、ベタベタだ』とフフッとようやく笑った。

『まずは花子に謝らなきゃ…』

『え?あたし?』

花子がニコニコしながら顔を上げた。
僕は涙を腕で拭い、ゆっくり花子を見据えながら『ごめん、花子』と小さく呟く。
花子はフフフと肩を揺すりながら笑い答えた。

『求めてくれたんが嬉しかったけん、気にして無いよ?』

『え?』

『激しく発情してくれたけん、オチンチン硬くなったんやろ?』

『………』

『お姉ちゃんのとこ行ってあげて?』

僕はゆっくり頷き、そして何事も無かったかの様にベッドから立ち上がり下りた。
そして『本当にごめん』と静かにドアノブに手を掛けて退出し、咲子の部屋の襖をノックした。

『咲子…居る?』

『………』

『咲子?』

『………』

『入るよ?』

僕は襖を開いた。
中ではブスッと無表情でパンツに生理用ナプキンを貼り付けている咲子がこちらに背中を向けていた。
そして生理用ナプキンを付けるとゆっくり振り返り少しまごつきながら曖昧な笑みで『おかえり』と言う。
僕は手のひらを握り拳にして意を決して咲子に近寄りゆっくり『良い?』と確認を取りながら咲子の華奢な身体を抱き寄せた。
咲子はなされるがままだった。
静かに僕の腕で黙っている。

『ごめん』

『何が?』
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