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人魚島
第5章 夏祭り
『綺麗だね』

咲子が不意にようやく微笑む。
それを見て多少僕も安心する事が出来た。
二人で暗闇の中提灯の篝火頼りに線香花火を楽しんだ。

『ハルキ、キスしよ?』

顔を上げて真顔で告げる咲子に多少畏怖しながらも、僕はゆっくりゆっくり咲子の額に口付けた。

『ちゃう、キスや』

『………?』

『はよ』

仕方無く唇に唇を重ねれば咲子は不思議そうに『なんでやり方知ってるん?』と眉ねを寄せて訝しんだ。
僕は咄嗟に『た、橘さんが教えてくれただろッ?』と弁解したが、丸切り嘘だ。
花子と重ねたキスでやり方を覚えてしまったのだ。

『あ…気持ち良かったけん、もっかい』

咲子がねだる。
仕方無く唇を重ねれば咲子が『ん…』と舌先をチロッと出す。
生暖かい不気味で気持ち悪いそれに思わず歯を塞いでしまう僕。
そんな僕の頭をガッチリ両手でホールドし舌先を僕の唇の隙間に捩じ込んで来た。
『んんッ』情け無い声を上げ咲子の手首を掴み離す。
ゆっくり離れて行く咲子は僕を睨んでいた。
そして『抱いてよ』と泣き喚く始末。
僕は『勃た無いよ』と本音を溢す。
今日は朝から10回以上射精しているのだ、勃起する筈は無かった。
途端飢えた咲子が僕の甚平のズボンをずり下げて求めて来る。
いきなりフェラチオして来る咲子に対し僕はやたら冷静で、冴えた頭のまま咲子の旋毛を眺めていた。

『どうして勃たないのッ?』

咲子がようやく諦めたのか陰茎から顔を上げる。

『そりゃ今日は疲れてるし勃起し無いよ』

『で、でもッ!ちょっと自分自身で擦ってみてやッ?』

言われて仕方無く萎えた陰茎でオナニーしたが一方に勃つ事は無かった。

『帰ろうよ』

僕は陰茎をしまい立ち上がる。
渋々諦めて僕に続く咲子。
手はもはや互いに繋がなかった。
なんだかもう咲子とは最後の様な気がした。

『ごめん、咲子』

無意識に謝った。

『な、なんか別れるみたいな言い方止めや?』

咲子が僕の目の前に駆け出し前屈みに訴える。

『か、帰ろうよ?せや、ZARDの揺れる想い歌ったろか?』

『それしか歌え無いの?』

『え?』

『それしか歌え無いの?』

『そ、そんな事無いけんッ!』

『じゃあ前前前世歌える?』

僕の冷酷な尋問と追及に遂に咲子が折れた。

『う、歌えんけん…』

『天体観測は?』

『堪忍してや?天体観測かて無理や…』
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