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人魚島
第7章 大神魚人再来
僕は玄関にヒョッコリ頭を出して驚いた。
背丈175㎝眼鏡を額に掛けながら前髪や肩を雨粒に濡らした黒髪の青年が水を滴らせながら満月を背景に玄関の軒先に立ち尽くしていたのだ。
手には法螺貝や長いワカメの束が何故か握られていた。
不可解な見てくれた。
深い深海を思わせる濃紺のポロシャツに波打ち際の潮を連想させる白いジーンズに黒いビニールサンダルを履いていた。
ビニールサンダルはいたくひしゃげていた。
使い古されて長そうだ。
ウオトは瞬きしながら長く濃い睫毛に溜まった雨粒を払っていた。
生ぬるいゲリラ豪雨の風がフワッと入り込む、今夜は相変わらず熱帯夜だ。

『ウオトやん』

咲子がウオトに近付く。
ウオトはとても人間界の男に見え無い位中性的なルックスで『ああ、やっと会えたね』と花子の両手を優しく握る。
無視された咲子は憤慨していた。

『春樹、手拭い持って来てくれ無い?悪いけど』

何故彼は僕の名前を知っているのだろう。
しかし、今はそれ所では無い。
僕はすかさず洗面所から白い花柄のタオルを用意し、神々しい美しい。

『ありがとう、春樹くん…』

フンワリ微笑みながらウオトが頭からタオルを被り頭を擦った。

『花子、元気してた?1年振りやね、また身長が伸びたね』

『148㎝やけん、チビっちゃいよ?』

『それが可愛いんだよ』

ウオトが僕に一瞥し『君が春樹やね、僕は大神魚人、ウオトだよ、よろしく』と相変わらずフンワリ微笑む。
神々しい、男なのに思わずむせ返る程の妖艶さを兼ね備えるウオトにたじろぐ僕。

『ずぶ濡れやん、中に入ってや?何があったん?突然来てどないしたんや?』

花子がウオトを居間に促す。
ウオトが『じゃあ邪魔するよ』と中に入れば皆一様に彼の姿に驚いていた。

『魚人くんやん、久しぶり』

三咲さんが笑いながら赤丸を燻らせ明さんは初対面らしく『やぁ、初めまして、咲子と花子の父親だ』と笑い、宗一さんと静枝さんは『久しぶりだねぇ』とグラスに自家製麦茶を注いでウオトに差し出す。
早坂先生はなんとなく面識があるらしい、美沙さんは当然初対面である。

『皆さん、お久しぶりです、初めましての方は初めまして、大神魚人です』

『またカッコ良くなりはったなぁ、いくつになったんや?』

『19歳です。来月20歳になります』

『缶ビールあるよ?飲むぅ?』

『いえ、結構です』
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