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人魚島
第7章 大神魚人再来
大神魚人ことウオトを改めて垣間見た。
その手には謎の法螺貝と巨大昆布、眼鏡を掛けてやや顎を引いて俯いている。
そして瞬きしながら卓袱台の木目を見下ろしながら不意に花子に向かって『昆布食う?』とフンワリ笑う。
花子が『味噌汁に使うけん、作るけん、待ってて』と台所に向かえば付いて行くウオト。
僕も思わず付いて行く。

『人魚島に向かうフェリーが近くで難破したんだ』

『え?』

『だから荷物抱えて泳いで来たけん、風呂借りても良い?』

『それは大変やったなぁ?風邪引かんでや?』

花子が手際良く味噌汁を作って行く。
僕はボンヤリ立ち尽くしながらウオトの姿を見上げていた。
不意に目が合い『何?』と微笑むウオト。
僕は咄嗟に目を逸らそうとしたが、何故だかウオトから魔性めいた何かを感じ目を逸らせ無かった。

『春樹くんだったかな?悪いねんけど、風呂で一緒に入って背中流してくれ無いかな?』

『え?』

『ほら、ウオト、ハルくん困ってるやん?ハルくんも無理にウオトの我が儘聞かなくて良いからね?』

『春樹くん、駄目かな?』

『解りました』

僕は自分自身でも驚く位真っ直ぐウオトを見据えながら答えていた。

『やぁ、ハハハ…良い返事だ、じゃあ行こうか』

ウオトが風呂場に向かうので僕も付いて行く。
ウオトは背が高くスラッとしている。
どうしても見上げる形になってしまう。
ウオトがゆっくり洗面所でシャツを脱ぎ始めた。
禅さんが言うにはウオトの泳ぎはずば抜けているらしい。
だからだろうか?
ダビデ像みたいな割れた腹筋が見えた。

『腹筋ヤバいですね、鍛えてるんですか?』

『うん、生まれた頃から水泳習ってる。それこそ話せるより以前にプールの中に居たよ』

『ああ、僕もです0歳教室から通い詰めてもう15年です』

『春樹くんは15歳か』

『はい、中三です』

『僕は大学二年生、一年の時にここの民宿春魚でアルバイト始めて魅せられたんだ』

『良い島ですよね』

『せやろ?春樹くんもそない思う?』

『はい』

『じゃあ入ろうか』

ウオトが湯加減を見ながら『うん、悪く無いけん』と湯船に浸かる。
僕はそんなウオトの隣で頭を洗い出す。
パンテーンが良い匂いだ。

『で、咲子と花子どっちが好きなの?』

不意に言われて目蓋を開けてウオトに振り返る僕に『どっちかな?』と笑うウオト。
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