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人魚島
第7章 大神魚人再来
家が…静寂の中ギッギッギッギッと鳴っている。
地震…では無さそうだ。
僕はゆっくり二段ベッドの梯子から降りた。
咲子は身体を大の字にして眠っていて、僕の起きた気配に全く気付いてい無い様子だ。
僕は咲子を起こさ無い様にゆっくりギッギッギッギッの音がする方を目指した。
どうやら奥の三咲さんと明さんの寝室からだ。
一体何の音なんだろうか?
半分程襖が開け放たれた蚊取り線香が燻る中、僕が垣間見たのは明さんが寝る隣で横になりながらバックの体位でまぐあう橘さんと三咲さんの姿だった。
僕はドキンとし、身を襖の隙間に隠した。

『あ…や…と、父ちゃんに…み、見付かるわ』

『………』

『孝?』

ああ、忘れていた。
色々あり過ぎて、いや、主にウオトの再来で三咲さんに橘さんが夜這いに来る事を伝え忘れていたぞ。

『愛してる…』

橘さんが深く低いテノールボイスで囁く。
隣で大の字になる明さんは全く気付いて無いらしく鼾をかいている。

『あ…やん』

『静かにしろ?』

ヒソヒソ言いながら腰を前後する孝さん、興奮しているのかオレンジ色の豆電球の中、その顔は赤鬼の様に赤かった。
カサカサカサ毛布を鳴らしながら二人の秘密のセックスは続く。
僕は罪悪感を感じた。
もし僕が三咲さんに説明しておけば、こんな事にはなら無かったかも知れ無かったからだ。

『あ…来たよ…来たよ…孝…』

『…俺もや』

『あ…あ…イ…イク…ぅん』

隣に寝る明さんを起こさぬ様に三咲さんが小さく蠢いた。
僕はゆっくり台所で水を飲みながら踵を返して咲子の寝室に向かい、ギッギッギッギッを聞きながら再び微睡んだ。
翌朝早朝ガキンッ!ガキンッ!と何やら鈍く硬い音がし飛び起きれば庭先で明さんにしばかれる橘さんの姿があった。

『盗人か?なぁ?盗人か?そない発情しとるんやったらミケ辺り抱いたらええやろッ?』

『すんませんッ!すんませんッ!』

竹刀でグリグリ背中を押されながら橘さんが情け無い声を上げる。
嗚呼、僕のせいだ。
僕は思わず明さんと橘さんの間に割って入り説明した。
そして如何に橘さんが三咲さんに本気なのかを熱弁すれば、竹刀を納める明さん。

『はよ消えろ盗人』

明さんが煙草を燻らせながら唸れば橘さんは『すみませんでした』とボロボロの身体を引き摺りながら駆けて行く。
僕は迷わず思わず橘さんを追い掛けた。
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