この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
人魚島
第7章 大神魚人再来
『おはよう、あなたが蓮さん?』

美沙さんが盆に麦茶を乗せてやって来た。
白いシャツにジーンズ姿でスニーカーだ。

『あ…う…あ…う…』

蓮さんが美沙さんを見上げながら麦茶に手を伸ばす。

『美沙さんか?初めましてやな、俺はこの島唯一の小学校の教師やらさせてもろてる橘言うもんや、噂通りの別嬪さんやなぁ、あ、蓮飲めんけん、ストローあるか?』

『ストロー?あるわ、ちょっと待っててな』

スニーカーをキュッキュッと鳴らしながら美沙さんが再び台所に戻る。

『綺麗なねぇちゃんやな』

橘さんがニヤニヤしながら僕を見下ろした。
美沙さんは一杯沢山"愛された"のか昨日以上に色っぽく綺麗だった。

『気が回らんでごめんなさい、ストロー付けました、飲んで?この子、なんか私に似てる…もしかして…覚醒剤してる?』

『あ…う…あ…う…』

ストローにむしゃぶり付きながら麦茶を飲む蓮さんに『ああ、シャブや、常習や』と蓮さんの背骨が突き出た背中を撫でる橘さん。
僕は麦茶を傾けながら二人のやり取りを眺めていた。

『レントゲンルーム用意出来たよ、蓮ちゃん、おいで?』

『せんせ…せんせ…早坂先生ぇ』

蓮さんが早坂先生に抱き付く。

『アハハ…おはよう、蓮ちゃん、さぁ、良い子だから少しオジサンとレントゲン撮ろうか?』

『はぁい』

『じゃあ橘さんと春樹くんはちょっと待ってて?美沙、麦茶お代わり用意して?』

『解ったわ、二人は朝食食べたん?』

奥のレントゲンルームに消える蓮さんを見送ってから美沙さんが訊ねた。

『いや、朝からドタバタしとったけんな、坊主も俺も腹の虫が収まらん、台所借りてええか?南瓜のリゾット作るけん、美沙さんも食べなよ?』

『え?良いの?』

『構わんけん、借りるぞ』

ドカドカと台所に入り、料理酒を呷りながら橘さんが出刃包丁で器用に南瓜をカットして行く。
僕と美沙さんはレントゲン撮影が済んだ蓮さんと診察室に入った。

『全治2週間だね、幸い傷は浅いよ』

『はぁ、そうですか、良かったですね、蓮さん』

蓮さんは『あうあう』と無邪気に笑って理解しているのか一応頷いて見せる。

『傷痕も解らないよ、綺麗に治るけど、大事な商売道具だ、しばらくは仕事は休みなさい、たまには呉市に橘さんとデートして大好きなヴィヴィアンウエストウッドの店舗見てきたらどうかなって思うよ?』
/488ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ