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人魚島
第7章 大神魚人再来
『デート?あ…うぅ』唸りながら鼻の上のでかい脱脂綿を剥がそうとする蓮さんに早坂先生が『蓮ちゃん、駄目、剥がしちゃ駄目だからね』と片手で制する。

『それから蓮ちゃん、ブドウ糖打とうか?』

『あ…う…?』

『ちょっと食べなきゃ倒れるよ?』

『あうあう』

頷きながら辛うじて伝わったのか、そのガリガリの肢体を診察ベッドに横たえる蓮さん。

『孝はぁ?』

『今蓮さんの為に南瓜のリゾット作ってますよ』

僕が言えば蓮さんは子供みたいに無邪気に笑って『お腹すいたぁ』と目蓋を閉じる。
早坂先生が手慣れた手付きでブドウ糖を点滴する。
針が刺さるほんの一瞬だけピクッと蓮さんは反応していたが、次第に『孝…好き…』と微睡んで行った。
しばらくして『なんや、せっかく南瓜のリゾットこさえたのにな、蓮の奴寝ちまったのか?』とリゾットの入った鍋を両手に橘さんがやって来た。
仕方無いので応接室で4人で食べる事にした。
橘さんが『ああ、ミケにLINEしとくわ』とスマートホン片手に赤丸を燻らせれば釣られた様に早坂先生と美沙さんもマルボロとケントを燻らせる。

『これでよし、なぁ、先生、ちと呑まんか?』

『何言ってんの?今日俺仕事だよ?』

『どうせ暇だろ?』

『午後から往診があるんだよ、平田さんちの婆さんが腰をやられたみたいでね』

『じゃあ美沙さん呑みますか?』

『良いわよ、何呑む?』

『美沙、ジンカボス作ろうか?春樹くんにはカボスジュースだよ』

『しかし、飲酒運転にならんの?』

美沙さんが窓ガラスから覗く軽トラを指差しながら眉ねを寄せた。

『こない田舎の島やけん、警察かて働いとらん、気にせず呑める田舎の村や』

『そうなん?帰り大丈夫なの?』

『大丈夫や』

『仕方無いよ、橘さんからアルコール取ったら何も残ら無い不良教師だもの』

笑いながら台所でジンカボスとカボスジュースを手際良く作る早坂先生。
しばらくして盆を両手に戻って来て『橘さんだよね、昨日魚沼家に鯛丸ごとくれたのは』と笑う。
『せや』とジンカボスを傾けながら煙草を燻らせる橘さん。

『美味かったよ、ありがとう』

『なんや、昨日行ってたんか?』

『ああ、柿の葉寿司渡しにね、橘さんもいる?まだあるんだよ、奈良漬けもいるかい?』

『良いのかよ?』

『良いよ、酒の肴にでもしなよ、しかしカボスジュース美味いよ』
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