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人魚島
第7章 大神魚人再来
ウオトが笑いながら『じゃあまた』と少女と踵を返して早坂クリニックから消えて行く。
しかし、早坂先生は子供から手間賃を回収し無い。
僕が激しく敦さんと喧嘩した時だって町医者なら1000円2000円回収する所を無償にしてくれた。
早坂先生は何で食って行けるのだろうか。

『蓮ちゃんの点滴済んだし、ミケちゃんもやきもきしてるだろうから、帰ったら?』

『やだよ、アンタどうせ午後迄暇なんだろ?呑めよ?』

『だから往診があるから駄目だよ』

不意に受付の中の古びた黒電話がけたたましく鳴った。
早坂先生が『はい、早坂クリニック』と対応しニヤリとしながら、なんとジンカボスを呷った。

『なんや、平田のババァキャンセルか?』

『まぁね、今日は休みだ、美沙と浜釣り行こうかな』

『美沙さんはいつまででここに居るんや?』

『エヘヘ、あのね』

美沙さんが早坂先生の背中に後ろから抱き付きながら『ずっとだよ、なんとかこの島に仕事とアパート探すんだ』とはにかんだ。

『遂に結婚するんか、早坂先生?』

『まだだよ、話し合って美沙が島に慣れてから婚姻するつもりだよ、このクリニックに住んでナースの真似事したら?って提案したつもりだけど、鼻から俺を頼ら無いのが美沙のスタンスなんだ、そう言えばアパートフィッシュソルトって空き部屋あったっけ?家賃いくら?』

『空き部屋なら俺の住居以外全部空いてるよ、家賃は1万5千円で共益費は1000円、駐車場代金は無料や』

『美沙聞いた?空いてるらしいよ?』

『ペット可なん?』

『あん?俺2匹猫飼ってるよ』

『じゃあそこにする』

『なんなら家主に話付けとこか?』

『良いの?』

『夏休み暇やけん、家主も暇や』

笑いながら応接室のソファーに横たわり腹の上に蓮さんを乗せて『騎乗位やッ』と腰を上下しながら笑い声を上げる橘さんと蓮さん。
本気で橘さんは蓮さんと結婚すれば良いのになぁと感じた。
『ミケさんが心配なんで先に魚姫に戻ります』と楽しくやってる橘さんと蓮さんに告げて僕は早坂クリニックから出た。
キャッキャウフフしてる幸せそうな二人の声を耳にしながら丘を駆け下り魚姫に入る。
最上階を目指せばブラックデビルの甘ったるい香りが立ち込めていて、蓮さんの"汚部屋"は綺麗になっていた。

『春樹か、おかえりなさい』

ミケさんがソファーで笑っていた。
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