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人魚島
第7章 大神魚人再来
ミケさんは『はぁ、まぁ、疲れたわ、ハウスメイドや無いけんな、金くれ話や』とヴィヴィアンウエストウッドのロッキンホースベイビーの脚をソファーから投げ出しながらブラックデビルを燻らせていた。

『んで蓮は?』

『大丈夫、全治2週間程度らしいです』

『良かったなぁ、しかし、その間は勿論仕事休みやろ?』

『はい』

『あたしが世話見んでも蓮は金持ちやけんな、独りで食えるか…んで、肝心の橘と蓮は?』

『早坂クリニックで戯れてます』

『ハァッ?ここまでわざわざ綺麗にしたったのにぃ?あいつ等は何考えとるんや?侘びに焼酎ウイスキー位買って来いよ、だいたい朝飯まだなんよ?』

『市場で何か買って来ますか?』

『良いの?ならハムパンと牛乳とウイスキー買って来てよ』

ソファーに寝そべりながら財布を手渡して来るミケさん。

『はよ行ってや、腹ペコ』

僕は人混みを掻き分けて駆け出した。
市場は朝とあってか混雑していた。
潮騒が聞こえる中、僕は牛乳片手にハムパンを探した。

『春樹くん』

不意に聞き慣れた声がし顔を上げればウオトが立ち尽くしていた。

『ウオトさん』

『何?買い物かな?』

『はい、さっき話したミケさんが朝御飯まだらしくて買い出しに来ました』

『アハハ、そうなんだ。僕も今からようやく朝食休憩で牛乳買い出しに来たんだよ、良かったら送ろうか?呉市からビックスクーター持ち出したから、古いけどフォルツァだよ、中古車』

『そうなんですか、良いの?後ろに乗っても』

『構へんよ、魚姫迄結構距離あるしね』

言いながら僕にハムパンを手渡すウオト。
何故僕がハムパンを探していると解ったのだろうか。

『後はウイスキーです』

僕がウイスキーを持ち上げるとウオトは甚平のポケットからフォルツァのキーを取り出し『ここは奢るから』と爽やかな笑みを浮かべる。
甘えて良いのか解ら無い内にレジに並ぶウオト。
都会の洗練された雰囲気か神々しい雰囲気からか皆一様にウオトにしきりに振り返る。
ウオトはそれを軽々いなしながらレジにて会計を済まし『ほら、小遣い、駄菓子屋で何か咲子に買ってやりなよ』と300円手渡してくれた。
そしてビックスクーターに股がり『出すよ』とヘルメットを貸してくれた。
ウオトもヘルメットを被りながらスロットルを回す。
唸るエンジン。
僕はか細いウオトにしがみ付いた。
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