この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
人魚島
第7章 大神魚人再来
『勘かな』とフンワリ微笑むウオト。
僕はスマートホンを取り出して広島県南部の天気予報を検索すれば降水確率は表示更新が遅いのか未だに10%のままだ。

『凄い勘ですね』

『浜辺育ちだからかな?さて、そろそろ女将さんに怒鳴られるから行くね、春樹くん、楽しかったよ、また晩姫蛍捕まえようか』

立ち上がり牛乳をがぶ飲みし、甚平の裾を正すウオト。

『ミケさんによろしく』

プレハブハウスをガチャリとやりながら鼻歌混じりに歩いて行くウオト。
奇しくも鼻歌は僕達が夏祭でアンコールを受けた際に奏でたバンプオブチキンの天体観測だった。
何故ウオトはそれを選曲したのだろうか?

『はぁ、まぁ、畳んで来たわ、あいつ部屋きったないなぁ…あれ?魚人くんは?』

『ああ、ミケさん、ウオトならアルバイトに戻りましたよ、女将さんに怒鳴られるとか言ってましたね』

『良い奴やん、仲良くしたったら?夏休み中の兄貴が出来たおもたらよろしいんちゃう?』

僕15歳ウオト19歳確かに兄弟らしい。

『ミケさん、僕もそろそろ行きますよ』

『え?寂しい事言うなよ?まだ呑み掛けやん』

『橘さんの昼飯作らないと』

『なら、うち行ったろか?アンタもどうせ来るやろ?』

『いえ、村の中を散策したら宿題やります』

『ああ、学生やもんな』

『ジンご馳走様でした。また夜迎えに来ますよ』

『ああ、橘からLINE来てたよ、姫蛍捕まえようって話やろ?』

『はい』

『楽しみにしとくけん、またね』

僕はミケさんのプレハブハウスから出て借り物の傘でウオトの後を追う事にした。
ウオトは魚坂と言う傾斜角度のある坂道の頂上付近の民宿街でアルバイトしているらしい。
春魚の場所は交番の克己さんに聞いた。
野良猫がたむろする中さ迷う事15分、僕は間違えた方向に進んでしまう。
仕方無く逆戻りし、また同じ様な民宿が並ぶ坂道を歩く事10分、見えてきた。
猿ボボが連なった古い軒先、1階がカフェらしく4階建て平屋の小さな民宿春魚が鎮座していて、その軒先ホウキを振るうウオトの姿があった。
ウオトにしきりに野良猫達にシシャモを配っていた。
近付けば『やぁ』と振り返るウオト、なんだか甚平が様になっている。

『まさか追い掛けて来たん?』

笑いながら猫を抱き上げるウオト。

『話がしたくて』

『僕仕事中なんだけど』

『少しだけ』
/488ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ