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人魚島
第7章 大神魚人再来
『顔色悪いよ?またにしとく?』ウオトが僕の頭をワシャワシャした次の瞬間、僕は花子の墓場で遺影両手に泣き崩していた。
どうして花子は死んだんだ?
遺影の中の花子にはモザイクは無い。
美しい20歳位の花子が微笑んでいた。
僕はワァワァ泣きながら遺影を地面に置き『これじゃ無いッ!こんな未来じゃ無いッ!』と頭を掻きむしって四つん這いになりながら墓場で独り泣いた。
『行こうか』と手をウオトが離した次の瞬間僕はやはりウオトの部屋に居た。
なんだったのだろうか?
冷や汗が半端無く、鼓動も早い。
僕は頷きながらウオトに付いて行った。
ウオトは『内緒だからね』と笑いながら裏手の駐車場に入りフォルツァのキーシリンダーに鍵を差し込み回した。
途端けたたしくエンジンが唸り、ウオトが『気持ち良いからヘルメットはいら無いや』と笑う。
僕にヘルメットを手渡しながらウオトはフォルツァに股がりグリップを握る。
『何処に行こう?』笑うウオトにヘルメットを被りながら『図書館は?』と提案する僕。
『ああ、好きな場所やわ、行こか』とグリップを捻る。
フォルツァがエンジンを唸らせながら急発進し、坂道を下る。
町を出て5分、公道に出た。
水溜まりを踏めば水飛沫が上がる。
ウオトが時速50㎞から70㎞にグンッと飛ばす。

『ちょっと早く無いですかッ?』

『何?ドップラーで良く聞こえ無いよッ?』

ウオトが振り返った次の瞬間だった。
ウオトがニヤリとしながら呟いた。

『天使としては合格だよ、じゃあ死ぬね』

途端グリップを勢い良く右に曲げ、フォルツァの胴体を宙に浮かせ崖から落下させるウオト。
僕等は高さおよそ20メートル岸壁から下の渦潮に飲まれて行った。
ウオトの身体がピクッとなりながら深海に沈んで行く。
僕の身体は重く動か無い。
ウオトッ!ウオトッ!
手を伸ばしたが暗闇の中、ウオトの身体は沈んで行く。
次に目覚めた時、僕は早坂クリニックの寝台に寝ていた。
途端『ハルキぃッ!』と抱き付く咲子。
ああ、夢か?

『意識が戻ったね』

早坂先生がやって来た。
違和感を覚えながら上体を起こす。
早坂先生は眼鏡を掛けてい無かった。

『は…早坂…先生、眼鏡は?』

『眼鏡?』

『早坂先生眼鏡…掛けてましたよね』

周りを見渡せば三咲さんと明さんと橘さんが心配そうに見詰めていた。
花子の姿は何処にも無かった。
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