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人魚島
第2章 人魚島
咲子の涙が僕の黒いネクタイを濡らして行く。

『さ、咲子ってば、誰かに見られちゃうよ?』

僕は咲子の背中の真上で両手で空中を掻きながらあたふたし、冷や汗をかいた。
あたふたしながらゆっくり咲子の肩に手を乗せ『咲子…』と咲子を押した。
ゆっくり僕の手の中でうるうる琥珀色の瞳を潤ませる咲子。
そして僕の手の中で震えながら『この、意気地無しッ!』と泣き叫び走り去って行く咲子。
仕方無く公民館の前に行けば30人程度の島民が群がっていた。
ザワザワしながら煙草を吹かしている。
しゃがみこみ所謂うんこ座りしている者や立ち尽くし空を見上げる者や酒を早くも呑み干してる者、それぞれが居た。
僕はポケットの中から数珠を取り出し手に巻いた。
そして並んだ。
公民館の中に入って行く島民達。
そして素早く白い鬼百合を棺桶に入れて行く。
僕も真似て鬼百合を慎三さんの胸元に置いた。
フンワリ香る鬼百合がシーブリーズを連想させて思わず咲子の姿を探した。
しかし何処を探そうが咲子は居無い。

『咲子、いるなら返事しろッ!』

思わず声を荒げれば缶ビールでベロベロの咲子が道端、街頭の下柱にもたれ掛かりながらしゃがんでいた。

『はい、はぁい』

咲子が右手をヒラヒラさせる。

『呑み過ぎだよ』

僕が咲子を抱き起こせば『い、あ…意気地無し』とぶつくさ言う咲子。
すかさずおんぶしてやれば咲子のダイナマイトボディが当たり股関節に咲子の手が当たり思わず勃起した。
フル勃起しながらズンズン進んで魚沼家を目指すがてら道を誤り三咲さんの店先に偶然やって来てしまった。

『咲子ぉ?』

瓶ビール片手に白いワンピース姿の三咲さんが軒先の柱にもたれ掛かって煙草を吹かしていた。
そしておんぶされた咲子の姿を見て駆け付けて来る。

『また呑みやったんか?』

『は、はい』

僕が狼狽え答えれば三咲さんが『店暇やから水飲ませよか?あんたも水位飲んで帰り?』と告げる。
促され頷きながら店に入れば酔っぱらいが独りうつ伏せでテーブル席に寝っ転がっていた。

『はい、水や』

三咲さんがグラス二つをカウンター席に置きながら僕から咲子を引き剥がした。

『咲子、起きなさい、起きなアカンで?』

咲子の頬をパタパタ叩きながら煙草を吹かす三咲さん。

『ほら、起きなさい』

『…ん』

目蓋を擦りながら『ここは?』とキョロキョロする。
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