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人魚島
第10章 東京編
大口を開いてまず海老に食らい付く花子。
ガチャガチャな奥歯が露になる。
花子は顎が小さい為か歯並びがガタガタしている。
咲子もそうだ。
きっと母親の郁子さんもそうだったのだろう。
ならば僕等の子供もきっと歯並びガタガタの子供が生まれるだろう。

『ん、ハルくん?美味しいよ?大トロプリプリだよッ?』

『うん、今食べてみるよ』

『うんッ』

僕はゆっくり大トロをワサビタップリの醤油に付けて食べてみる。
流石築地だ、かなり美味しい。
シャキシャキプリプリしている。

『ほっぺ無くなりそ…』

花子が頬を赤らめながらパクパクして行く。
変わり種で九千と言う鱸の仲間の魚を捌いて貰う。
サッパリしていて美味い。
鯛や鰒みたいに白く硬く引き締まった身が特徴的だ。
初めて食べたが花子は瀬戸内海で食べた事があるのか『九千かぁ、よくおやつに出たよ?干物なんかをお姉ちゃんとパリパリ食べたよ?』と九千をパクリと大口で飲み込む。

『へぇ、干物もあるんだ?』

『一般にはね、煮付けが多いよ。サッパリした味付けでも、甘辛くしても美味しいけんね。煮付けた物を焼くのが『はぶて焼き』や。焼く事で益々香ばしく、醤油の香りが立ち上がる。塩焼きはやや干し上げた方が美味しい』

『これってスーパーにもあるな?その、はぶて焼き?食べてみたいな』

『大型のスーパーならあるよ?でな、塩焼きは皮目が香ばしく、めちゃくちゃ美味しいねん。夏の九千は刺身にして美味や。身に膨らみがあり、豊かな味わいや。九千の煮付け、産地などでは塩焼き、煮付けになる事が多いけんな。人魚島みたいな漁村だとかはこれでご飯を食べるんや。ご飯に合う料理が漁師料理や。鱗を取って面倒やけど鰓、内臓を取って湯通してから、冷水に落として残っている鱗、ぬめりを取る。これを酒、砂糖、醤油で味付けして煮た物。塩だけ、酒、塩の付けにも良いけんね』

『へぇ、流石漁港の子だね、詳しいなぁ』

『魚の知識は無駄にあるけんな』

『ほら、次は玉子頼もうか』

『うんッ』

熱々の玉子が並んだ。
ハフハフ言いながら食べた。
なかなか甘くて美味しい。

『ハルくん鮪美味しいよ?プリプリだよ?歯応え凄いよ?』

花子が勧めるので鮪を摘まむ僕。
ペロリと一口で食す。
うん、甘くて美味しいッ。
僕はお手拭きです口元を拭いながら『築地で正解だったな』と花子の頭を撫でた。
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