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人魚島
第10章 東京編
確かに花子には僕しか居無い。
孤独な少女だ。
しかし、今はただ独りになりたいのが本音だった。

『その内帰りますよ』

ケントを燻らせながらポテトチップスをかじる僕。

『今夜はドラゴンゴッド行くよ』

タマヨリヒメがドルチェ&ガッバーナのジャケットを用意する。

『7時になったら晩御飯食べにピューマ出ようか、ボクが奢るから好きなの食べてよ』

僕はシンイチにLINEで『今夜はタマヨリヒメさんとミケさんで同伴です』とすかさず送る。
しばらくして『今夜も暇だ、しっかり稼げ?』と返信があった。
両手に花状態に近くのモダンな居酒屋で晩御飯を済ませ、夜9時Cartierのスーツに身を包みVIPルームにて二人を持て成しする。
ヘルプにシンイチが着いてくれた。

『まぁ、呑めよ』

以前ミケさんが下ろしたヘネシーXOとタマヨリヒメのリシャールで乾杯だ。
キンッと乾いた音を立てながらグラスが鳴り合う。

『家出中なんだってさ』

タマヨリヒメがクスクス笑う。

『ほぅ、家出か、馬鹿な奴やな、で、腹の子はどないやねん?』

ブラックデビルを燻らせるシンイチに一から説明した。
花子と不仲な事、花子が中絶手術した事、僕が今池袋のミケさんのマンションに世話になっている事等全て話した。
シンイチは『あん?』と眉ねを寄せる。

『花子に悪いと思わねぇのか?アホたれ?』

『思ってますけど、会えばまた喧嘩だ』

『なんだ、喧嘩して仲違いして不仲になっちまったのか?』

『ははん』と頷きニヤリとするシンイチ。

『けどいつ迄もほったらかしにされてちゃ、花子だって憤慨するやろ?程々にしとけよ?』

『解ってますよ』

リシャールを傾けながら僕は唇を尖らせた。
花子に直接会って話したいが、まだその勇気は無かった。
深夜2時、タクシーで池袋に帰る。
酔っ払ったミケさんを抱き起こしながら寝室に運び『ん…』と寝返りを打つミケさんにサテンのパジャマを無理矢理着させる。
僕はシャワーを浴びてケントを燻らせながら花子に電話してみた。
寝室からはミケさんの鼾が軽く聞こえる。
『お掛けになった電話は現在電波の届か無い場所にあるか、電源が入ってい無い為お繋ぎする事が出来ません』とガイダンスの電子ボイスがスマートホンから流れた。
花子の奴、スマートホンの電源切ってやがるな。
そんな風に思いながらベッドに潜り込んだ。
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