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人魚島
第10章 東京編
『今、アマテラスさんとシェラトンホテルに居るんだよ』

『早く帰って来てよッ!どうせセックス三昧なんやろッ!アホッ!鬼ぃッ!悪魔ぁッ!ロクデナシぃッ!』

『解ったよ…これから帰るよ…腹空かして無い?』

『ローソンでおでん買って来てよ?』

『解ったよ、じゃあ少し待っててね、今から帰るから』

ピッとスマートホンの画面をタップして通話を切り、アマテラスに『今から帰ります』と詫びた。
アマテラスは蔓延の笑みで『仲直り出来たんだ?』と訊ねて来る。
『いえ』と答えれば『仲直りしなさいよ』とアマテラスが唇を尖らせる。
僕はヴィヴィアンウエストウッドのシャツとサルエルパンツに着替えて『またドラゴンゴッド来て下さい』とタクシーに乗り込む。
当然このタクシー代金もアマテラス持ちで、僕に1万と、小遣いにと5万円手渡して来た。

『すみません』

『行く前にキスして?』

ディープキスする。
タクシーが新宿目掛けて走り出す。
雪がちらつく中、僕はボンヤリ外の景色を眺めていた。
足早に帰宅するサラリーマンやOLの姿が見えた。
次第に新宿駅に到着し、タクシーのドライバーに精算し、タクシーから降りた。
アパートが見えて来る。
木造二階建て平屋のボロいアパートだ。
花子の喘ぎ声なんかは筒抜けだっただろう。
斜向かいのローソンでカップ麺やら焼き鳥串やらおでんを買い込む。
鍵束をヴィヴィアンウエストウッドのサルエルパンツから取り出し、鍵穴に差し込む瞬間、僕は気合いを入れる。

『ただいま』

ブラックデビルの甘い香りがする6畳一間の空間、万年床に小さな花子がちょこんと座っていた。
僕は曖昧な笑みを浮かべながら『久しぶり』と玄関でヴィヴィアンウエストウッドのスニーカーを脱いだ。
中に入る。
ブラックデビル臭いし酒臭い。
花子はまた酔っ払っている様子だ。
卓袱台にジンカボスがハート型のコルクのコースターの上に鎮座している。

『…おかえりなさい』

花子は目線も合わせずややぶっきらぼうに告げる。

『おでん買って来たよ』

僕はローソンのビニール袋を開いて中からおでんの容器を取り出し、卓袱台の上に置いた。
花子がすかさず使い捨て割り箸をパチリとやり、玉子に食らい付く。

『火傷するから、ゆっくり食べなよ』

言いながら焼き鳥串を食する僕。
花子が突然エグエグ泣き出した。

『おいおい、どうした?』
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