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人魚島
第10章 東京編
僕等は手を繋ぎながらレジカウンターに並ぶ。
不意に店員が花子の梅毒の発疹を見て『うわぁ』と顔を歪ませやがる。
僕は思わず舌打ちした。
スイートノベンバーを借りて家路に着く。
花子は咳き込みながら『あたし、そんなに梅毒の発疹酷いかなぁ?』と頬に両手を添えていた。
僕は『気にし無くて良いよ』と花子の背中を撫でた。
帰宅して花子の頭に口付けしながらDVDプレイヤーにスイートノベンバーをセットする。
花子はジンカボスとポップコーンを用意して準備万端だ。
僕等はスイートノベンバーを観賞したが、途中僕はシャーリーズ・セロンに花子を重ねてしまいむせび泣いた。
彼女の役所は癌で余命1ヶ月のキアヌの恋人役だ。
僕が泣きながら花子を抱き締めれば花子はキョトンとしながらも『借り無い方が良かったかな?』と仕方無く笑う。
『花子ごめんね』と情け無く泣きながら僕は根気で最後迄観賞した。
花子と観賞し終え、僕は『今夜はすき焼きにしようか、肉やら野菜やらあるし』と涙を拭う。
『わぁい、すき焼きだぁ』とはしゃぐ花子。

『ミケさんとシンイチも誘おうか?』

『うんッシンイチ久しぶりに会うよ』

『LINEしてみる』

僕はスマートホンでミケさんとシンイチに連絡した。
二人からはすぐさま返事があり、二人共来るとの事だ。
すかさずすき焼きの下準備に取り掛かる僕。
包丁捌きは母親譲りだ。
サクサクパチパチ葱を切り、木綿豆腐を細切れにする。
しばらくしてシンイチが『よう』と焼酎の大瓶2つ両手にやって来た。

『わ、どないしたんや?花子、梅毒か?』

『せや、空気感染せんから大丈夫やで?』

『知っとるわ、いくらなんでもアホたれな俺かて知っとるわ、医者行ったんか?』

『今朝スクナヒコナのクリニック行ったよ?』

『ああ、あいつか、金払い良い上客でな、たまにフラッとドラゴンゴッドに来るねん。別にホモだとかゲイや無いけどな、良い奴やな』

ドカッと卓袱台の前に座布団を敷いてあぐらをかくシンイチ。

『大吟醸買って来たから呑むけん』

大吟醸、なかなか高値の有名ブランド焼酎だ。
グラスを出す花子。
大振りな鍋は卓袱台の上にセットしてある。

『なんや、鍵開いたまんまやんか?』

ギッと続いてミケさんがやって来る。
四人で鍋を囲う。
専らシンイチが話していた。

『だからさぁ、花子は早く嫁に行けよ』

『うんッ』
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