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人魚島
第4章 咲子の村案内
咲子が身を捩った。
熱い精液が咲子のドルチェ&ガッバーナの黒いTシャツを汚して行く。

『ごめん、よりにもよって黒いシャツに飛ばしちゃって…』

『大丈夫、帰ったら洗濯するけん』

咲子が原付に近付きタオルを取り出して『ああ、凄いエッチな香り』と胸元を拭って行く。
僕の勃起はようやく治まり僕は砂糖黍畑の中にしゃがみこみ両手を後ろに付きながらジーンズのファスナーを上げた。
咲子がニヤニヤしながら僕に駆け寄り『良いなぁ、気持ち良かった?』と髪の毛を耳に掛けながら僕の隣に座った。
ガサッと雑草らしい茂みを鳴らした。

『最高だったよ、しばらく動け無いや』

『疲れたけん、休憩しよか』

『うん、咲子ありがとう』

『何が?』

『見てるだけで気持ち良かったよ』

ハァハァと相変わらず肩で呼吸する僕の肩に頬を寄せる咲子。
可愛い。

『咲子のムチムチのオッパイ揉んでるだけで出ちゃったよ』

『後でヤる?』

『うん、何処でヤル気?』

『牛舎の藁で愛し合お』

咲子はケラケラ笑った。
白い八重歯が眩しい。
不意に咲子が僕の頬やこめかに口付けして来た。
チュッチュッと可愛らしくリップ音が鳴る。

『コンドーム一個で足りる?』

咲子が心配そうに僕の顔を覗き込んで来るので、僕は靡く咲子の髪の毛を両耳に掛けてやる。

『我慢する。また明日橘さんに売って貰お』

『我慢出来る?』

『頑張る』

笑い合いながら僕等は立ち上がった。
茂みをガサガサ鳴らしながら掻き分けて公道に出て改めて原付に股がる。
咲子がニヤリとしながら相変わらず髪の毛を靡かせながらキーを回してエンジンを掛ける。

『掴まっとき』

咲子がどんどん美しい海岸沿いを走らせて行く。
美しい景色がどんどん背後に流れて行く。
靡く咲子のロングヘアー。
太陽光線を浴びてキラキラ反射し輝いている。

『見えて来たけん』

漁港の裏手に到着した。
土曜日だろうが卸し市場から競りのけたたましい怒号が聞こえて来る。
僕等はパーラー末次の目の前の駐輪場に原付を停めてパーラー末次に近付いた。
木製の扉、昭和初期からあるであろう古い佇まいだ。
吹きさらしのベランダにはテーブル席が二つばかり並びパラソルが刺さって風に僅かに靡いていた。
金木犀の木の植え込みに三毛猫の親子が毛繕いしながら欠伸していた。
咲子がパーラー末次の扉を開いた。
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