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人魚島
第4章 咲子の村案内
咲子が涙をポロポロ溢しながら『ハルキ死なんでッ』と泣くもんだから僕は『大袈裟だなぁ』と咲子の頭を撫でた。
早坂先生が再度『どちらから手を出したの?』と訊ねて来るので僕はしばらく考えてから『僕です』と告げた。

『やぁ、なんだか大麻の臭いがするなぁ』

早坂先生が不意に目を細めながら眼鏡を掛け直した。
その目は大人のそれだった。

『夏休みだからと言って羽目を外すのは馬鹿がする事だ、薬物なんかに手を出すのは止めなさい』

ナースの独りも居無い三人の空間に気まずい空気が流れた。

『あらかた敦くんが誘ったんでしょ?さぁ、口を開きなさい』

僕は頷いてからゆっくり口を開いた。

『やぁ、歯が欠けてるね、こりゃまた力一杯殴られたんだな…ハハハ…』

早坂先生が何やら軟膏を僕の口内に滑り込ませ塗りたくった。

『よし、これで大丈夫、外は絆創膏辺り貼っておこうか、一週間もすれば塞がるからしっかり食べなさい、烏龍茶取って来るよ、俺も飲むよ』

早坂先生がギシッとドクターチェアーを鳴らしながら立ち上がり数珠の暖簾を掻き分け台所らしい部屋に白衣を靡かせながら消えて行けば咲子が『やだ、逃げる時にパンツ落としたみたい』とスカートを捲った。
思わず生唾を飲んだ。
明るい場所で生まれて初めて女の子の陰毛を生でAVでは無く見たのだから。
『咲子…』思わず表面に触れれば生え揃い立てなのかやたら柔らかい。
お餅みたいだった。
キュッキュッキュッキュッと早坂先生のスリッパの音が聞こえて慌てて手を引っ込めた。

『やぁ、氷入りだよ、喉渇いたでしょ?一服して行きなさい、俺も煙草吸うよ』

早坂先生がマルボロメンソールを取り出しスナックマーメイドの安っぽいライターで先端に火を付けた。
途端副流煙が辺りに立ち込めた。

『もう14年前か、郁子さんから咲子を取り上げたのは、懐かしいなぁ、難産だったんだよね、彼女からしたら初産だったからね』

『咲子ここで生まれたの?』

『せやで、早坂クリニックは島の唯一無二のクリニックやけん、大概みんなここで出産すんねん』

涙をようやく拭いながら咲子が笑った。

『花子も?』

『うん、早坂先生随分驚いたみたい、顔が無くて脚が一本に繋がった女の子が出て来た訳やもん』

『あの時は人生で一番驚いたよ、さぁ、遠慮無く飲みなさい』

促され僕達はグラスをゆっくり傾けた。
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