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人魚島
第4章 咲子の村案内
咲子が不意にしゃがみこみ墓に向かって手を合掌させたので、僕も並んで手を合わせた。
しばらく不気味な沈黙が流れ僕等は薄暗い洞穴に入って空を見上げながら雨宿りした。
咲子が奥に進み『見せたいモノがあるけん』と洞穴深くを指差した。
洞窟の突き当たりソレはキィキィとぶら下がっていた。
ミイラだった。
立派な注連縄と朱色の鳥居に囲まれたソレは僅かな潮風に揺れていた。

『な、何これ?』

震えながら思わずヨロヨロと後退る僕に咲子が説明した。

『この島民の間で流れとる言い伝えじゃ、島民全てはこの魚人様の赤子が先祖らしい』

『馬鹿な』

『馬鹿馬鹿しいけど真面目に話しとるけん、まぁ聞きなさい』

咲子がしゃがみこんだ。
僕もゆっくり胡座をかいた。
そしてポカーンと咲子の説明に耳を傾けた。

『うちらは8人姉妹の末に生まれた先祖の子孫らしい、上7人は飢餓に飢えて母親を殺めて食って殺し合って死んだらしい…末の残された妹は美人やった顔を食い散らかしてやがて…発狂して死んだらしい』

ゾクッと背筋が凍った。

『どうして顔なの?』

『その魚人は美し過ぎるが故に島の民や漁師等に強姦されて乱暴受けてたらしい。それに見かねた島の都の皇子様が手助けして8人の姉妹を産んだ、それが遡ればうち等の先祖に当たるらしい』

『皇子様は一体どうなったの?』

『これまた奇病が蔓延してな、顔面が腐り落ちる病が流行り泣く泣く魚人の姫様は海に子供等を残して帰るんや、んでな、皇子様は奇病と飢餓に飢えて亡くなるねん』

再び背筋がゾクッと凍った。
咲子の話は生々しく臨場感が半端無かった。

『残された姉妹達には免疫力があってな、美しい顔のまま生き残って独りを残してみんな海に帰るねん、やがて長い長い戦争が始まってな、残された魚人の娘も槍をつこて海から戦ってやがて子供を産み落として死んだらしい、それが魚沼一族のルーツや』

『そんな三文芝居まさか信じてるの?』

『うん、だってなんだか素敵やん、人魚が先祖とかなかなか無いで?』

目をキラキラさせながら咲子が続けた。

『この魚人様のミイラの前でセックスしたら未来永劫幸せで不思議な力が手に入るねんて』

『何それ?ただのヤリ目的の落とし文句じゃ無いの?』

『ちゃうよ、殊更あやかろうと村長一族はこいつの前でハッスルするらしいよ』

『ヤリたいの?』

『うん』
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