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いつくしみ深き
第1章 いつくしみ深き
 歌が終わると牧師が二人に対し、静かに呼びかけた。牧師は結婚式場併設のチャペルにいるような形だけの牧師ではなく、本職の牧師だった。祐希は友人の伝手を必死に辿り、同性愛に理解のある牧師を探し出したのだった。

「藤澤祐希。汝はその健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、死が二人を分かつときまで、命の日の続く限り、真心を尽くすことを誓いますか?」
「誓います」
「高瀬響。汝はその健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、死が二人を分かつときまで、命の日の続く限り、真心を尽くすことを誓いますか?」
「誓います」

 誓い終えた二人はそれぞれの薬指に指輪をはめた。プラチナのシンプルな指輪の内側にはそれぞれの名前と「Forever Love」の文字が彫られている。祐希は指輪を購入した店に事情を話し、通常二週間かかる彫刻を、一週間で仕上げてもらった。

「では誓いの証に口づけを」

 祐希は車椅子の傍らに膝をつきそっと口づけた。響が入院して以降、二人は口づけてはいなかった。だから唇を重ねるのは五十日ぶりだった。

 最後に結婚証明書に二人が署名をし、牧師が二人の魂が結ばれたことを告げ、簡素な結婚式は終わった。
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