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偶然が運命にかわるとき
第5章 私が知らなかった彼

お店を出ても神谷さんは何も言わない。
さっきまで優しかった神谷さんとは
何か違った雰囲気に圧倒された。
すぐにタクシーを止めると
そこはレディーファーストで
先に乗せてくれた。
しばらく沈黙が流れたが
恐る恐るもう1度質問してみる。
「神谷さん…どこに向かってるんですか?」
「俺の家。」
「え?…私は…」
「お前、俺がさっき忠告した時
なんて言ったか覚えてるか?」
そんな事は酔っ払っていても
鮮明に覚えていた。
「一応覚えてます…」
「俺はお前を許さないって言ったんだ。
なのに易々とナンパされた。
だから罰として今夜は俺といてもらう。」

