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偶然が運命にかわるとき
第8章 私の過去

「私の母親は虐待をしていました、私に。
5歳の時に妹が産まれたんです。
妹が生まれてからすぐにそれは始まって。
最終的にはご飯もろくにもらえませんでした…
そんな姿を見た父親は
「ごめんな…必ず助けに来るから。」
って泣きながら何度も何度も言って
千円、私の手に握らせて家を出ていきました。
同じ頃、毎日のように児童相談所の人が
家に来ていて私の様子を見に来ているのが
耳で聞いていてわかっていて。
”検診に来ていない”
”予防接種をしていない”
”顔を1度見せて”
そう言ってるのを母親は拒否していました。
もう外にも出してもらえなくて。
でも私…死にたくなかった…
5歳まではちゃんと育ててくれていて
友達とも沢山遊んでいて…
その時のことばかり考えていたら
本当に幸せで…だから死にたくなかった。
心配だったのが妹のこと。
今は可愛がってもらえているけど
もし私がここから逃げたら
妹が同じ目に合うんじゃないかって…
でも…私は母から逃げた…
自分の命を優先して妹を置いて
児童相談所の人が玄関にいる時に
窓ガラスを割って外に出たんです。」

