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偶然が運命にかわるとき
第8章 私の過去

神谷さんは時々頷いたり
悲しい顔をしたりして何も言わずに
聞いてくれていた。
「その後はしばらくの記憶がないんです…
でも人から聞くと妹のことばかり
心配していたみたいで…。
でもある時、妹がちゃんと育ててもらって
元気に暮してることがわかったんです。
ほらね。」
そう言って指を指した先にはテレビ。
そこには人気絶頂でドラマ、バラエティ、
雑誌でも大活躍の女優、
〖 灰原 結 〗が映っていた。
神谷さんはよく分からない顔を
一瞬見せたもののすぐに理解した。
「まさか…灰原結がお前の妹なのか…!?」
「はい…びっくりしたでしょ?
小さい時からモデル業をやってたみたいで
小学校6年生だったかな…
お友達が持ってた子供のオシャレ雑誌?
みたいのがあったんだけど、それに載ってて!
どうしてもってお願いして
施設に持って帰って施設の人に聞いた。
そしたらびっくりしてた。
なんせ、0歳のときの結しか知らない私が
それを妹だとわかったんだから。
本来なら私を虐待していた時点で
警察に行かなきゃならない。
でもその時の母の彼が必死で
児童相談所に説得して妹は
幸せに育てられたって。
施設の人はそれを本当は私に言っては
いけなかったんだけど…
でも教えてくれた。
絶対に自分から会いに行ったり、
連絡を取るような行動はしないと
約束をして。
だから私、デザイナー目指したんです。
結に私の服着てもらいたくて!」

