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偶然が運命にかわるとき
第8章 私の過去

私はいつの間にか夢中で話していた。
本当は誰かにこの話を
聞いてもらいたかったのかもしれない。
過去に囚われて誰も自分を必要としてない
そんな世界から出たかったのかもしれない。
「その後から、読み終わって
いらなくなったのでいいから雑誌を頂戴
ってお友達にお願いして。
ボロボロになるまで隅から隅まで読んで。
少しでも勉強になればって思いながら
結の頑張る姿を見てた…
そんな毎日も凄く楽しかった。
そしたら神様は見ててくれたのかな~…
お父さんがね、迎えに来てたくれたの。突然。
最初は会うことも戸惑ったけど
どこかで信じていたくて…
お父さんが出ていく時に言った
絶対に迎えにくるからって言葉。
だからどうして置いてったのって
恨んでた気持ちも強かったけど、
本当に迎えに来てくれたお父さんを
信じて会ってみた。
そしたらお父さん出てった時と
全然違ったの!綺麗にスーツなんて着ちゃって!
最後に見たお父さんは痩せこけて
無精髭、いつもボロボロの服しか着てなかった。
会って私の顔見た瞬間人目もはばからずに
子供が泣くみたいにわんわん泣いて
私が恥ずかしいくらい。」
それを思い出しながら私の目からも
涙がポロポロとこぼれた。

