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偶然が運命にかわるとき
第8章 私の過去



「無理しなくていい。」


そう言って神谷さんは私を促した。

けれど知って欲しかった。

神谷さんに私の過去も今も全てを。




「お父さんは沢山色んな話をしてくれた。


その時助けたくても弱い自分が

何も出来ない自分が私を連れ出しても

育てることが出来ないと思った。



児童相談所に連絡をして

自分が必ず迎えに行くから

それまで私のことを頼むと

お願いしていたみたいで…



そこから這いつくばって仕事したって…

でもお父さんは根っからのいい人だから

すぐに人脈が広がったみたいで…


神谷さん、園山建築って知ってる?」





「あぁ、もちろん。

俺たちの事務所も園山建築だからな。

社長がいい人なんだよ、本当に!

親父さんそこで働いてるのか?」




「その社長がお父さん。

まさかあの事務所が園山建築で

建てたとは知らなかった…」






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