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ぬばたまの 夜に抱かれ 望月の 刻のゆくさき 夢のゆくさき
第1章  
 集落を見下ろす小高い丘の上に、この土地を守る地主神の祠はあった。傍らにはご神木である樟(くすのき)の大木が、腕を広げるように樹勢を伸ばしている。すでに日は傾きつつあるものの吹き抜ける風は依然として熱い。集落の男たちはすでに麓に戻り、少年は一人で祠の前に置き去りにされた。だが、それこそが少年に課せられた役目だった。

 麓からここまで水も与えられずに連れてこられ、暑さで朦朧となった少年の目の前に現れたのは、少年と同じ純白の着物を纏った長身の青年だった。青年は少年に口移しで清水を与えて抱え上げ、祠の中に運び入れた。そして少年の額に、ひんやりとした手を当てる。青年は感情のない夜色の瞳を少年に向け問うた。

「我が祠に何用があって参ったか」

 少年はまだどこかぼんやりとしたまま、どこからともなく現れた青年を見つめた。
 見たこともない美しい青年だった。雪のように白い肌、漆黒の艶やかな髪と瞳。切れ上がった双眸に宿る強い光に、本能的な恐怖を抱く。

 青年は「我が祠」と言った。ではこの青年は――。
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